「私はここにいます。」

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必要じゃない、でもやっぱり欲しかったMZ−S。

フラッグシップ機、揃い踏み。

 程度も良くて、お値段も割安だったので、ついつい買ってしまいました。
 2001年に登場したペンタックスフィルム一眼最後のフラッグシップ機、悲運の名機MZ−Sです。
 ちなみにストラップとバッテリーグリップが付いて3万5800円。
 当時のペンタックスユーザーが長らく待ち続けていた上級機で、来るべきデジタル一眼レフのベースとなるはずの機種でした。
 軍艦部の液晶に視認性を高めるために傾斜が付けられた独特なスタイリングのために、ウルトラマンに登場する怪獣「ジャミラ」の愛称で呼ばれました。
 しかし愛称の元になった怪獣が悲劇的な結末を迎えたように、MZ−Sも決して幸福な道のりを歩んだわけではありませんでした。
 まずはシャッタースピード1/6000秒、X接点1/180秒、毎秒2.5枚の連写性能、ファインダー倍率0.75倍と、先代のフラッグシップ機Z−1pと比べて基本性能が劣る事。
 当時、MFカメラライクなデザインのMZ−3が好評なペンタックスでしたが、MZ−Sの独特なスタイリングはやはり好き嫌いの分かれるところです。
 ペンタックスとしては初めて本格的な多点測距を採用した物の、意味不明な測距点の配置から、評価の分かれる機種となってしまいました。
 また、MZ−Sをベースにしたデジタル一眼レフも、コスト高を理由に断念しています。
 そんな悲運の道を歩んできたMZ−Sですが、あくまでフィルムのメインはZ−1pで、記念碑的な意味で確保しておこうかと思って買ったわけですが。
 しかし実際に手にした人には好評のようだし、私も実際に買ってみて、手にした質感や使い勝手はZ−1pより上だと感じています。
 絞りリングを前提にした新しいハイパー操作系も使いやすいし、やや寒色に寄るZ−1pのファインダーより自然な色合いだし。
 大きさと重さでホールディング性能を高めるZ−1pに対し、MZ−Sは薄くて手にフィットする感じでしょうか。
 バッテリーグリップによる縦位置撮影も自然に行えるし、バッテリーグリップが付いてもZ−1pより軽い感じがします。
 撮影データの印字機能も、撮影後の反省会に便利です。
 大型ボディにスペック追求のZ−1pと、軽量ボディに使い勝手重視のMZ−S、甲乙付けがたい魅力があります。
 やはり両方持つのが通という物?
 しかしMZ−Sの欠点はといえば、絞りリングのないレンズだと、プログラムとシャッター優先しか使えなくなる事、ケーブルレリーズが645Nと共用で、他の機種とは共用できない事などが挙げられます。
 ひとつ言える事は、長所も欠点もひっくるめて、これだけ独創的な、オンリーワンなカメラって他にないと思います。
 それがMZ−Sに心惹かれる最大の魅力かと。

 でわでわ。
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