今日も写真は9月27日の美唄線東明駅で。
SLといえば足元も忘れちゃいけません。
先日、リコーから新型のデジカメが発売になりました。
前々からリコーがレンズ交換式のデジカメを発売するという噂は出ていたけど、それとは予想の斜め上を行く結果です。
誰だ? リコーがKマウント機を出すなんて噂した奴は。
Kマウントだとフランジバックが長いから薄型化は無理だし、公開されているKマウントの規格は最初のKマウントだけで、後に電気接点や絞りリングのA位置を追加したKAマウント、AFカプラーが追加されたKAFマウントなどは公開されていないから、現行のペンタックスレンズが使えるわけではないし。
で、実際に登場したのはKマウントどころかレンズ交換式でさえない、ユニット交換式のリコーGRXです。
詳しくは
「リコー、“ユニット交換式”デジタルカメラ「GXR」 - デジカメWatch」を参照。
同社のGXシリーズの後継という位置づけで、GX200のイメージを踏襲したデザインを採用しながら、レンズとイメージセンサーなどを一体化したユニットを交換する事で、様々なシチュエーションに対応できるカメラシステムです。
ユニットは様々なサイズのイメージセンサーとレンズの組み合わせを最適化する事で高画質を実現する他、撮影ユニット以外の組み合わせもあるとかないとか。
本体と同時発売のユニットは、GX200と同等サイズのイメージセンサーとレンズを組み合わせた物と、APS−Cサイズのイメージセンサーと35mmフィルム換算で50mm相当のマクロレンズの組み合わせの2つがあります。
セールストークには美辞麗句が並ぶけど、実際のところどうなんでしょう?
同社のGX200に近い構成になる24−72は、GRXと組み合わせてみると、GX200よりサイズ重量共にアップとなります。
だったらレンズ固定式のGX200の方がいいじゃん、という気がします。
50mm相当マクロは比較的近いパナソニックのGF−1と45mmマクロの組み合わせよりは軽いけど、実際の焦点距離の長さ、手ぶれ補正の有無を考えると、絶対的なアドバンテージがあるとは言い難いし。
散歩歩き的に50mm相当マクロはちょっと欲しいけど。
結局のところ、レンズでもユニットでも、何かしら交換式にすれば、物理的に脱着するためのマウント、情報伝達のための電気接点などで、サイズや重量、値段などの面でオーバーヘッドが発生するのは当然です。
最適化された設計が売りのはずなのに、GXRはそうと言えない部分もあるような気がします。
だったら50mm相当マクロ固定のコンパクトデジカメが出ないかなあと思ったりもするのですが。
実際のところ、これまでフィルム時代からコンパクトカメラと言えば、28mmから40mmくらいの焦点距離を含んだズームレンズまたは単焦点というのが相場です。
50mm以上のマクロレンズだったり、中望遠からのズームレンズなどの専門性の高いレンズを使いたいと思うと、レンズ交換式の一眼レフを使うしかありませんでした。
その理由はというと、厳密なピント合わせやフレーミングを要求される接写や望遠撮影には、一眼レフのファインダーが必要不可欠だからです。
さらにコンパクトカメラのメインの購入層である初心者が撮影する風景や記念写真の場合、35mm前後の焦点距離で厳密なピントもフレーミングも必要ないという事情もあると思います。
デジタルの時代になって、一眼レフファインダーを持たないコンパクトデジカメでも望遠撮影やマクロ撮影ができるようになりましたが、高倍率ズームが登場したくらいで、中望遠からの望遠ズームやマクロレンズなど、専門性の高いレンズは相変わらず一眼レフの物です。
ちなみに2ちゃんねるのDPシリーズのスレを見ていると、28mm相当のDP1、40mm相当のDP2があるから、次は中望遠マクロのDP3が出ない物かという話題が出てきます。
リコーはGXシリーズやGR DIGITALなど、スナップなどの分野であえてコンパクトデジカメを使いたいプロカメラマンにも愛用されているデジカメをリリースしています。
レンズ固定式のメリットを他のどのメーカーよりも理解しているはずのリコーなのに、未だにコンパクトデジカメは常用焦点距離を含まなければならない、専門性の高いレンズはレンズ交換式で、という固定観念にとらわれ、GXRという、どっちつかずの中途半端なソリューションを発表している。
何のためのコンパクトなのか?
何のためのレンズ交換なのか?
GXRに何となく不可解さを感じるのは、そういう根本的な疑問からという気がします。
今までは一眼レフにレンズ数本を使い分けていたけど、これからは異なる焦点距離のコンパクトデジカメ数台を使い分ける、というのもありじゃないかと思うのですが。
DP2にクローズアップレンズを付けてマクロレンズ付きコンパクトデジカメ的に使ってみたいなあと思う今日この頃です。
でわでわ。