「私はここにいます。」

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「図書館戦争」終了につき感想。

 今日のアニメ感想は、新アニメの感想のどさくさに紛れて、「図書館戦争」が終わったので。
 「図書館戦争」を放送していたノイタミナ枠は、「アニメの常識を覆したい」というコンセプトの元に制作されています。
 クラシックの世界をコミカルに描いた「のだめカンタービレ」しかり、独創的な演出を用いたホラーアニメ「モノノ怪」しかり、農業大学を舞台に菌やウイルスに関わる学園ドラマ「もやしもん」しかり、長寿アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」とはひと味違う、原作に忠実な「墓場鬼太郎」しかり。
 それら作品の後番となる「図書館戦争」も、その心惹かれるタイトルはもちろん、図書館を舞台に、検閲から本を守るために銃を手に戦うという独創的な設定も、まさにノイタミナ枠の作品として相応しいと思います。
 しかしその内容がタイトルと設定に相応しかったのか? という点で疑問に思います。
 そもそも政権が自分達の都合の良いように規制するなら、図書館にある童話よりもネットだったり新聞やTVだったりを先にするだろうし、そもそも図書館に武装する資金や戦闘のノウハウなんてないだろう、なんていうツッコミは野暮なだけだから伏せておくけど。
 以前に書いた開始時の感想や第10話の感想とも被るけど。
 検閲や表現の自由は、これからも議論を重ねていかなければならない重要な問題です。
 近年で言えば、児童ポルノ法であったり、ネットに流される違法動画やわいせつ画像、グロテスクな映像だったり、爆弾の製造法とかも挙げられるでしょう。
 それなのに「図書館戦争」では検閲やそれを行なう「メディア良化隊」は議論の余地なく一様に悪、それに抵抗する「図書隊」はいつも絶対的に正義、という描かれ方しかしていません。
 多種多様な価値観が共存する図書館を巡る物語が、そういう事で良いのでしょうか?
 開始時の感想で書いた「近未来日本を舞台にして市街戦を行なう方便」という疑念が拭えないまま最終回を迎えました。
 さらに、戦闘後に「死傷者が出た」という事があっても、主人公らが撃った弾では誰も死なないし、仲間内に重傷から奇跡的に生還する人はいても、本当に死んでしまう人はいないし。
 結局、「図書館戦争」というよりは「図書館(もどき)戦争(ごっこ)」という方が相応しいように思えました。

 でわでわ。
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