「ホワイト・ファング」感想。
今日は麻生俊平先生の最新作「ホワイト・ファング」の感想で。
麻生俊平先生、徳間進出にして初の新書版という本作。
内容的には富士見ファンタジア文庫で書いていた頃のバトル路線を継承している感じです。
敵役やら狼やら、その辺の設定はよく考えられているし、総じてクオリティは高いと思います。
今回の敵役は企業グループの社長の息子だったり何だりで、雰囲気的に田中芳樹先生の作品に近いかも。
ただ、田中芳樹作品は主人公がろくに悩む事なく、爽快に悪い奴をけちょんけちょんにやっつけるのに対し、「ホワイト・ファング」では主人公が延々と悩み続けるので、その辺は麻生俊平先生らしいかと。
その辺も関係しているとは思うけど、どうにも読後感がすっきりとしません。
消化不良の設定もいくつかあるし。
「ホワイト・ファング」をどういう作品にしたいのか?
読者に何を感じて欲しいのか?
そういう部分まで考えが回ってないんじゃないのかと思いました。
次作では挽回してもらいたいです。
でわでわ。