「私はここにいます。」

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戦術はあっても戦略なし〜「機動戦士ガンダムOO」雑感〜

伏見稲荷神社その2。

 鳥居を見上げてみました。
 撮影時のノイズも厳しければ、JPEG圧縮ノイズも厳しかったり。

 久々のアニメ雑感。
 お題は第1期が終わり、第2期も真ん中まで終わった「機動戦士ガンダムOO」で。
 第1期では「戦争根絶」を旗印に、圧倒的な性能を誇るガンダム4機で紛争に武力介入し、戦争を行なう双方の勢力を壊滅させてきましたソレスタルビーイング。
 ところが敵側に疑似太陽炉搭載のMSが登場すると、次第に劣勢に立たされ、敵の影の親玉と相打ちのような形でソレスタルビーイングは壊滅します。
 第2期では圧倒的な国力を持った地球連邦が、連邦の支配に反対する中東諸国に対し、アロウズという治安維持部隊が一方的に武力攻撃を仕掛けています。
 アロウズの非人道的な振る舞いに対し、怒りを覚えたソレスタルビーイングは新たな4機のガンダムと共に立ち上がる、というのが大まかな流れです。
 しかしここで不思議な事がひとつ。
 本当に「戦争根絶」を目的にしているなら、強力な武力を持ったアロウズではなく、反政府活動をしている、カタロンの方が弱いから、そっちを根絶やしにした方が手っ取り早く「戦争根絶」を実現できるのではないか?
 そもそもアロウズとカタロンの戦力差を考えれば、放っておいてもいずれアロウズが勝利し、地球連邦が唯一の政治勢力になって、「戦争根絶」が実現されるのは自明の理です。
 少なくとも第1期では「戦争根絶」の名の下、戦争している勢力の両方を等しく壊滅させるストイックさ、筋の通し方というのがありました。
 しかし第2期になると、アロウズだけを敵として、カタロンは共通の敵と戦う味方というのもおかしな話です。
 そもそも第2期における新生ソレスタルビーイングは、何を目的として活動しているのでしょう?
 もはやソレスタルビーイングの活動の根拠は、武力で一方的に傘下に入る事を強要する連邦のやり方であったり、非武装の市民が多数いる都市へ衛星から攻撃したり、人間を殺すための殺人ロボットでの攻撃だったりと、連邦側の非道な手段に対する嫌悪感だけであり、連邦の目的を阻止する事ではないのです。
 第1期ではジャーナリストやそれぞれの政府の中心人物が登場する場面もありましたが、第2期ではマリナ姫以外はまるでなし、という事実がそれを証明しています。
 作中では戦術予報士という肩書きの人物が登場します。
 ……名前こそ新しいけど、やっている事はタダの作戦立案なんだけど。
 しかし戦術予報士は出てきても、戦「略」予報士という肩書きは出てきません。
 そう、ソレスタルビーイングには戦術はあっても戦略はないのです。
 連邦とアロウズに戦争を仕掛けて、最終的に何を勝ち取る事を目的にするのか?
 そのためにどんな手段を執るべきか? そのための資金は? 戦力は?
 といった視点が全く欠けているのです。
 ただアロウズのやり方が非人道的だから攻撃しようという、その怒りは正当であっても、長期的な展望のないその戦いは犠牲者を増やすだけで、決して「戦争根絶」には結び付かないのです。
 目先のピンチを切り抜けて局地的戦闘で勝利を手に入れる戦術はあっても、この戦争で最終的に求める勝利を勝ち取る戦略はないのです。
 同じ事はソレスタルビーイングだけでなく、この「機動戦士ガンダムOO」という作品自体にも言えます。
 ただ1話1話の戦闘シーンと人間ドラマで短期的に視聴者の目を引きつける事だけを考え、第1期と第2期、あわせて50話くらいになると思いますが、その全体を通して我々視聴者に何を見せようというのか、という視点が欠けているように思います。
 とりあえずまだ第2期も残り半分、何が変わるとも思えませんが、続きを見守っていきたいと思います。

 でわでわ。
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