「私はここにいます。」

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「俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長」感想。


俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長 (電撃文庫)

俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長 (電撃文庫)

アスキーメディアワークス
とりあえず読み終わった。



 今日は出かけるつもりだったけど、朝になって面倒なのでとりやめに。
 録画したTV番組も残っていないので、貯まっていたラノベを3冊一気読みに。
 ……でも残り3冊だったり。
 というわけで今日のひとりごとはパクリ疑惑で出版停止、回収という事になった「俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長」の感想という事で。
 すでに新品での入手は不可能という事で大胆に書いていこうかと。
 普通の人間と、吸血鬼を始めとする人外が共存する世界、人間側の「勇者生徒会」と人外側の「魔王生徒会」がある学校で、それぞれの生徒会長、勇者と魔王に幼なじみのヒロインと主人公が選ばれるというお話。
 とりあえず第16回電撃小説大賞最終選考作という事で、今時のラノベらしく、まあそれなりに面白いかと。
 スペック的には平凡な主人公が、鈍感故にヒロインの勘違い気味のアプローチに気付かず、という設定も今時のラノベらしいです。
 その二人が敵味方に分かれ、勇者のヒロインが魔王の主人公の正体を暴こうとする設定が面白いといえば面白いです。
 問題は、それなのに「人間VS人外」という構図をきちんと強調しない、もっと学園を二分して激しくぶつかり合う、くらいの所まで持って行くべきではなかったかなと。
 ヒロインもせっかく勇者という設定なんだから「人外は滅ぶべし」くらいの立場にして、魔王生徒会のメンバーも「人間なんて下等生物」くらいの事を言えばいいのに。
 その両者の間を取り直してこそ、主人公が魔王なのに平和主義者という設定が生きるし、ヒロインの普段のベタぼれっぷりも生きるんじゃないかと。
 そこまでしないからこそ読みやすいといえば読みやすいのかも知れないし、ぬるま湯のような物足りなさを感じる要因じゃないかと。
 考えてみれば魔王の正体がばれないように「魔王スーツ」を身に付けているけど、逆に言えば魔王スーツさえ身に付けなければ魔王だとばれる心配もないような。
 設定はもっと深く考えておくべきじゃないかと思うのですが。
 ……そう言えば本編は「バカとテストと召喚獣」をパクったという疑惑で出版停止、回収という事になったけど、魔王スーツのデザインは某「なんちゃらのルルーシュ」(伏せ字になっていない)に酷似しているような。
 「反逆のなんちゃら」の主人公はチェスが得意だったけど、本作の主人公は将棋盤なしで将棋が打てるくらい得意、というのも似ているような。
 個人的には物足りない作品とは思うけど、売れている作品という事もあるので、こういう結果になって残念です。
 結果的に続編を望んでいた多くの読者を失望させ、出版社やイラストレーターさんに多大な迷惑をかけたと思います。
 でももしばれなかったとしても、他人の作品をパクった作品がたくさん売れて、読者に喜ばれたとしても、それがラノベ作家としてあるいはラノベ作家を目指す者として喜ぶに値するべき事か、よく考えてもらいたいと思います。

 でわでわ。
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Comments

 いらっしゃいませ〜。
 哀川譲先生は現在、新作を執筆中という噂もあるようです。
 でもパクリ探しのために買って、たくさん売れて、面白いと勘違いされるのもアレなので、個人的にはすぐに手を出すつもりはありません。
 パクリ云々以前に、高く評価できる作品とは思えませんので。

 でわでわ。
wen-li | 2010/07/27 11:00 PM
初めましてU・Mと申します。
例の騒動から数ヶ月(約2ヶ月半程?)
昨日ようやく「俺と彼女が魔王と勇者で
生徒会長」を買い、今日一日かけてじっ
くりと読んでみました。

話その物はそれ程つまらないと言う感じで
ではありませんでしたね。むしろ同じパク
リ作品である「エデンの花園」の方が「
ああ、やっぱりパクリだな。つまんない
な」と言う感じでした。

因みに、自分はオリジナル(?)である
「バカとテストと召還獣」は読んだ事は
ありませんが、両作品の比較を紹介した
ホームページは見ました。
で、語弊を恐れずに言えば似通ってはいる
ものの、余りパクリと言う感じには見え
ませんでした。

後、パクリは確かに罰せられる行為かも
知れませんが、それでこの業界から永久
追放と言うのはどうでしょう?
一応執行猶予を与えると言う手もあります
が。(もしかしたらこの事を反省し、今度
こそキチンとしたオリジナル作品を書くか
も知れませんし)
長文失礼致しました。
U・M | 2010/07/25 07:24 PM

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