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「ホワイト・ファング―狼は還らず」感想。


ホワイト・ファング―狼は還らず (トクマ・ノベルズEdge)

ホワイト・ファング―狼は還らず (トクマ・ノベルズEdge)

徳間書店
麻生俊平、ホワイト・ファングシリーズついに完結!



 久々に小説の感想など。
 麻生俊平先生の「ホワイト・ファング」シリーズの最終刊「ホワイト・ファング―狼は還らず」の感想です。
 ああ、そういえば2巻の感想書いてなかった。
 面白くなかった、と簡単に言いたくはないんだけど。
 社会風刺を取り入れたりと、田中芳樹先生の作品との類似は第1巻の感想の時に指摘した事ですが。
 田中芳樹作品の社会風刺は、悪い奴をコテンパンにやっつける時の、悪い奴ぶりをより強調し、爽快感を増すための手段という感じです。
 だけどいくら悪い奴をやっつけたところで、悪い奴を生む組織、社会がそのままである以上、また別の悪い奴が生まれてくる土壌は何も変わらないわけです。
 本作でその事を指摘する麻生俊平先生は、全くもって正しいと思います。
 しかしエンターテイメントとしてはどうでしょう?
 読者は悪い奴がコテンパンにやっつけられる様に爽快感を覚えたとしても、提起されたまま解決策を見出されない問題の数々に、我々読者はどう思うでしょう?
 面白いと思うのか?
 つまらないと思うのか?
 他にも相違点を幾つか挙げさせてもらえれば、田中芳樹作品には憎めない悪役などの魅力的なサブキャラが登場するとか、でっかい橋とかビルとか乗り物とかが派手に破壊されるとか、罪のない人は滅多に死なない、死んでもあっぱれな死に方をするとか、色々あるわけですが。
 偉そうに言わせていただければ、本作はちょっと遊び心が足りない気がします。
 ライトノベル以上、ハードボイルド未満を謳うなら、もうちょっと肩肘張らずに書いていただきたい。
 ライトノベルと言うよりは、かなりハードボイルド寸前な気がします。

 でわでわ。
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