日常の侵入者!!

 彼らは廊下を歩いていた。今から一時釈放!!表情にならない喜びがある。この地獄から、5日間だけ外にいけるのだ。こうして僕は、出口に向かう道を歩いている最中一時釈放の説明を隣を歩いている監守から受けた。
「・・・・と言うわけで、お前は、5日間の一時釈放を受ける。そしてお前は5日間“向こうの世界”で過ごすことになる。だが忘れるな、それは“偽りの日常”なのを・・・・」
「ああ。わかったわかった。」
 他の監守の声が聞こえる。
「おい・・・あいつ。何年も監獄にいるがなぜ出れないんだ?」
「・・・・奴がやった。悪行はそこまでたいしたことはない。だが・・・」

 ここで聞くのをやめた。聞きたくもないそんなこと。わかっている・・・・わかっているつもりなんだ。でも・・・・。
「さぁ出ろ!!S―12」
 そう言われてハッと我に変える。そうだ、今はそんなことよりこの5日間を大切にしなきゃ。さぁ行くぞ!!僕は目の前の扉を開けた―――――――――。

 ・・・・学校へ行く。塾にいく。寝る。これが大幅な日常スケジュールだ。実はこんな毎日に俺は飽き飽きしている。・・・・・。俺の名は亀田 貢劉(中二)。苗字が「亀」とゆうことで、かわいそうになった親が変わった名前にしてやろうと貢劉(ぐりゅう)となずけた。こんな感じで教室に着く。
「あっかめちゃん。」
「おはよ〜かめちゃん。」
 ・・・・・まぁせっかくの名前が無駄になっているわけだが・・・・・。こうして日常通り席に着く。ふと、今までにいないはずの人物が俺の目に留まった。
「だれだ?あいつ?」
 俺は目の前の女子に聞いた。
「なにいってんの?小宮じゃない。」
 ・・・・・小宮!!?誰だそれ?このクラスにはいないはずだぞ。そうして顔を見てみる。目が合った。
「あっぐっちゃん。っはよ」
「・・・・・」
「どした?」
「誰だお前?」
「・・・・・」
「・・・・・」
 周りが完璧に沈黙化。小宮と言う奴は少し考え込んだ。と不意に
「よし、誰か119番して」
「いたって健康だ。」
「いや、脳に障害が・・・」
「大丈夫。いたって健康だから」
「現に記憶が・・・」
「だから俺はお前なんか知らないって!!」
 さっきの女子生徒がこう言った。
「何言ってんの?二人は親友じゃない。」
「は?俺の親友?こいつが?」
「うむ。兄弟の契りを結んだ仲だぞ。」
「知るか!!そんなの!!俺はお前など知らん。俺の親友は世界で“あいつ”一人だ」
 そうだ俺の親友はあいつ一人だ。確かにもうここにはいない。たしかどこか遠くへ引っ越した。年賀状すら一回もこなかった。あいつにとって俺はもうどうでもいいのかもしれない。でも、いつも一緒だったあいつ。笑うのも一緒。泣くのも一緒。怒られるのも一緒だった。
 小宮といわれる男はまたもやびっくりしたような顔をした。そして
「名前。」
「えっ?」
「名前は覚えていない?」
 そう名前はもうなぜか覚えていない。なぜなのだろう?あんなに仲がよかったのに・・・・。
 そんなときとある男子の声が聞こえてきた。
「しかしなんでだろぅな。あんなに明るく人気が高い小宮と無愛想で無口な亀田が親友だぞ」
「ああ世の中わからんな」
 ・・・ほっとけ。ってか親友じゃないし。そのとき小宮と言われる人物が言った。
「やめろよ。ぐっちゃんだっていいところあるぞ。」
 おっナイスフォロー。
「“突っ込みの才能”があるんだ!!」
 ・・・・それだけ!!?俺は突っ込みをするだけしか能がない人間だと。つまりそう言いたいのか?そう思いながら突っ込む自分。
「なっぐっちゃん」
「俺にふるな。」
「そういやぐっちゃん。本当に思い出せない?」
「さりげなく話題を変えるなよ。にそのぐっちゃんはやめろ」
「いいじゃんか。貢劉だから“ぐっちゃん”くぅ〜最高だね。」
「本題に戻せ」
「そうだね。おもしろくないし」
 ならやるな!!こいつはボケキャラか?、漫才を組めと言うのか?こんなやり取りのせいで着席の時間になってしまう。
 しかし一体あいつは誰なのだろぅ?どうしてもそんな疑問ばかりが出てくる。そんなとき・・・
亀田・・・亀田・・・・亀田!!なにをボーっとしている?」
 うぉ。しまった授業が始まってたらしい。いや〜考え事をするとたつ時間が早いですな〜。昔考え事をしまくって授業を耐えたことがあるよ。
「その場で立ってろ」
「・・・・WAHT?ここで立ってろと?50分間立ってろと?つまりそう言いたいのですか?」
 確かに廊下に立たせるなんてことは普通はありえない。小学校に入ったとき、ちょっとそれを期待した入学だったが、教室の端っこに立たされるとゆう最悪のケースだった。たまに後ろを見てくる奴がいやでたまらなかった。そんなことで、廊下に立たせるのはドラ○もんぐらいだと知った。たまたま小宮と目が会う。彼は親指を立てた。そして口が語っている。
「やったな。ぐっちゃん」
 その場に立つことはそんなに名誉なことなのですか?授業中に立ち上がることがそんなに名誉あり称えることなのですか?
「あっ足が痛い」
 授業が終わり座った頃につい本音を出してしまった。
「大丈夫?サ○ン○ス張る?」
「どこから持ってきた?貴様本当にそれが授業に必要なものだと思っているのか?さらに名前を出すな。伏字にしているからいいものを。だが俺は言わない。“突っ込みの才能”をこいつだけには披露したくない。」
「十分言ってるから心配しないでくれ。」
 とりあえず放課後。俺は奴を付けてみることにした。
「ぐっちゃんなにしてんの?」
「・・・・・」
 一瞬でバレました。結局途中まで一緒に帰ることになった。
「ところでぐっちゃんはなにをしていたんだ?」
「・・・・お前の正体を掴もうとつけてた。」
「ふ〜ん」
「で?」
「で?っとは?」
「だから君は何者だ?なぜ今までいなかったはずの君がクラスにいる?なぜ、俺以外気づいていない?なぜ・・・」
「たぶん・・・いつか答える。」
「今じゃだめなのか?」
「・・・・・」
「・・・・・」
 無言が続く・・・・。
「だぁ〜〜〜〜。」
「どうした?」
「こんなのは無言なのは俺じゃない!!“突っ込みの天才”と称えられた俺様の実力見せてやろうじゃねぇか。今無理やりにでも答えさせてやる。」
「天才とは言われていないし別に称えられてもいません。」
 そしてまた一瞬無言が続いたと思うと真剣な顔をして小宮が言ってきた。
「君は、“時の牢獄”って知っているかい?」
「時の・・・牢獄?」
「これがヒントって奴か?あとは自分で探して「わかったぜ。お前の正体は○×△□#だ〜フッフッフ」とか言わせる気か?ちなみに最後の不敵の笑みはないと思うが」
「・・・・・」
「何も言わないのか?お前突っ込めよ!!チャンス与えてんだから。」
「・・・・ごめん。なに?」
「・・・・・ボケ流されました。」
「えっ?」
 そして長い沈黙。
「・・・じゃこっちだから」
 といって小宮は消えた。・・・・ちょっとまておれにやはり“時の牢獄”の意味を探せと言うのか?・・・・だが奴はもういなくなっていた。さて、俺はどうしたらいいのだろう。こうして今日と言う日が終わりを告げた。

〜2日目〜

「おはよう。かめちゃん・・・・ってどうした?」
「・・・・・眠れなかった。だっだるい。倒れそうな気がする。ってか足元がやばい。」
「あっぐっちゃん。っはよ」
 小宮が話しかけてきた。汚れのない満開の笑み。俺はこいつのことに悩んでいるのに、こいつはなぜこんないい顔をしているのだ?ああすごく殴りたい。
「なんかすごく眠そうだね。」
「・・・・ほっといてくれ」
 一人で勝手に悩んで寝不足なんて誰にも言えやしない。
 こうして一時間目開始!!とともに爆睡!!
「・・・・私の授業をバカにしているのか?」
 たたき起こされたあとに聞かれた一言
「止めないでください。もう俺を悩んでいても意味がないことに気がついたんです!!」
「意味がわからん。というわけで立て。」
「・・・・・WAHT?人がこんなに苦しんでいるのに立てと?」
 と言うかこの学校の教師その場で立たせるの好きだな。
 こうして授業再開。
「〜〜〜〜であるからとして・・・・・」
 ここで先生の言葉はとある人物を見て止まった。その人物は貢劉であった。立ちながら眠っている。しかもすごいふらついているが、絶妙のバランスでそれをカバーしている。危ない・・・と思ったら持ちこたえる。そんな感じだ。先生は少し考えたあげくこうすることにした。
「ドーン」
 貢劉を押す。倒れる貢劉。ちなみに先生が「ドーン」といったような気がしたが定かではない。
「いてててて。」
 授業が終了した。だが俺にとっては、なにがおきたかわからないことだらけだった。なぜ俺は床に倒れていたのだろぅ?なぜこんなに体中痛いのだろぅ?
「最高だったよぐっちゃん」
 小宮が現れた。
「なにが?」
「最高のバランスフォーメーションが」
 バランスフォーメーション!!?なにをやったのだ俺は?
「もしかしたらサーカスの綱渡りとして生きていけるかも。まさか突っ込み以外にこんな才能があったなんて・・・」
「ほっとけ。ところで体中が痛いし、なぜ俺は地面で寝ていたのだ?」
「いや〜後ろの机にダイビングしたからね〜」
 ダイビング!!?マジ何をしたのだ?俺は・・・。
 2時間目。次こそは・・・・寝る!!と・・・
「君は私の授業なめとるのかね?」
 こうして同じことが繰り返される。
「やっ・・・・やっと全てを終了させた。」
 6時間目終了後ガッツポーズをとる。
「いや〜全て立つなんて見上げた根性だよ。」
 ちょっと違う気がする。俺はただ寝たいだけなのに・・・・そう思うと悲しくなってきた。
「どうした?ぐっちゃん」
「くそ!!今の世界は自己を尊重するべきだ!!そうだろぅ?憲法にもあるじゃないか。なのになぜ授業で寝てはいけないのだ?もっと自分らしく生きるべきではないのか?俺の主張間違ってますか?小宮君!!」
「・・・・呆れて言葉も出ないってこういうことだな。」
「出てんじゃん。」
「・・・・・」
「まったく。これだから枠にはまった人間は・・・・」
「でも、枠にはまった人間の社会だからしょうがないのでは?」
「まったくだ。いやになるよ。本当に・・・」
「・・・・ぐっちゃん」
 よく見ると小宮が真剣な顔になっていることに気がついた。
「なっなんだ?真剣な顔までして・・・・」
 俺は少し驚いてしまった。
「こんな日常を君はどう思う?」
 唐突に聞かれてしまった。俺には答えはあった。そうずっと思ったいたことだ。
「飽き飽きしている。こんな日常つまんねぇ。」
「そっか・・・・。ぐっちゃんにはそんなものだよね。」
 無理に笑っている。そんな顔だ。その前に見せていた。寂しそうな顔を忘れられない。
「けど。」
 彼はまた寂しそうな顔で言った。
「けどそんな日常を送れない人たちもいるんだ。」
「・・・・・そうそれは俺もわかっているつもりなんだ。今も苦しんでいる貧しい子供たち。そんな子が送っている日常よりはましなんだ。だが、“つまらない”そんな答えがなぜか出てくるんだ。」
「そうだね。でもそれだけじゃない。」
「えっ?」
「そんな日常よりももっと“苦しい日常”が存在するってことさ。」
「それは?」
「・・・・おっと。そろそろ帰りの学活がはじまるね。じゃっ」
 そう言って小宮は自席に戻っていった。謎ばかりが残る。彼はいったいなにを言いたかったのだろう?“時の牢獄”それに関連することなのだろうか?俺にはまったくわからなかった。

〜放課後〜

 小宮が俺の席にやってきた。だがさっきの面影はまったくなかった。俺はさっきのことの詮索はできなかった。思い出したくないのだろぅ。それは一目瞭然だった。
「ぐっちゃん帰る?」
 いきなり現実に引き戻された俺。今日一日中ボ〜っとしてばっかだ。
「お〜い」
 やっぱり睡眠不足がたたっているのかな?
「あれ?だめだ。完全に壊れてるみたいだな。」
 そんなことを考えてボ〜っとする。
「殴れば直るかな?」
 そういや俺はこいつのせいでこんなに眠いんだっけ?
 ボコッ。完全なるストレート。
「なにをする?」
「いや〜やっぱりポンコツは殴れば直るんだな〜」
「俺はポンコツなのか?」
新たな疑問がまた一つ生まれた。
「ところでぐっちゃん。帰る?」
「いや。ちょっとやりたいことあるから残る。」
「そっか。そんじゃ俺は帰らせていただきます。じゃっ」
 小宮はさっさと帰っていった。俺が今日やりたいことそれは“時の牢獄”を調べること!!パソコンで調べれば楽だろぅ。だが部員じゃない俺がコンピューター質に入れてもらえるわけないし。家にはパソコンがあるがインターネットに繋いでいない。というよりも金が掛かって無駄だといって。繋がせてくれない。なので俺が残された手段はただ一つ。本で調べることだ。だが“時の牢獄”に関する資料などがおいてあるわけがない。辞典などを開くのが精一杯だ。何冊目かを開き終えてから愚痴をこぼした。
「くそ〜。全然ねぇじゃねぇか。大体なんだよ、“時の牢獄”って?」
 俺の左側の方向に座っていた。女子生徒が反応し、振り返ってきた。そして・・・
「時の・・・・牢獄?」
 明らかにこの驚きを隠せない顔は何かを知っている。
「あんた知ってんのか?」
「いっいえなにも」
 その声には焦りが混じっていた。間違いなく何かを知っている。
「あんた嘘隠せない性格でしょ。」
「・・・・・」
「教えてくれ。」
「・・・・・」
「完璧に無視ですか?」
「・・・・敬語。」
「えっ?」
「先輩には敬語を使えとか言われたことない?」
「・・・・・ごめんなさい。」
 まさかその身長で先輩だなんて思わなかった。
「で、教えてくれませんか?」
「図書館では静かにして。」
「あの〜答えてはくれないのですか?」
「・・・・・あなたは“釈放”された人間ではないよね。」
「なんですか?釈放された人間って・・・。」
「そう。じゃあ答えられない。」
「なぜ?」
「調べる気があるならやめときな、関わらないほうがいい。」
 そう言って先輩の人が図書館を出て行った。なんなんだろう?関わらないほうがいい・・・それほど危険なことなのだろうか?俺にはまた理解できなかった。
「わからないことだらけだな」
 俺は不意にそんな言葉を言った。

〜3日目〜

 今日は昨日より快調だ。なぜならもう悩むことをやめたから。俺一人で悩んでいたってどうせ意味がないのだから。もし悩んで寝不足になったら
「っはよ〜ぐっちゃん」
 こいつの顔を殴りたくなるからだ。にしてもこいつはなぜにここまで関わらせといて教えてくれないのだろう?
「お〜い」
 “時の牢獄”ってことは牢屋だよな。こいつ悪いことでもしたのかな。
「もっかいやってみるか」
 そもそも何のための牢屋なのだろう?
 ボコッ。いい音が鳴り響いた。
「なにをする。」
「いや〜。ポンコツは殴るに限るね〜。」
 やはり俺はポンコツなのだろうか?
 授業が始まる。俺を悩ますものはもうない。とゆうか悩まないということ爆睡。
「貴様そんなに勉強が嫌いか?」
「好きな奴などいないと思います。」
「そんなんでこの世を乗り越えれると思っているのか?」
「たぶんなんとか。」
「無理だな。」
「でしょうね。」
「と言うことで授業を受けろ。」
「それは嫌です。」
「なぜだ?」
「俺はもう何も悩まないと決めたのです。悩みがなければぐっすり眠れるんです。そのぐっすり眠れる時間をここですごす。間違ってますか?」
「よくわからんが。間違っている。」
「・・・・・」
「まっ今日一日も頑張ることだ。」

〜放課後〜

「今日は3時間目でダウンしたね。」
 小宮が不意に言ってきた。
「当たり前だ。昨日ほど眠くもないのに立って入られるか!!」
「そういうものなんだ」
「そういうものだ。」
「で、帰る?」
「いや行くとこがある。」
「また?一緒に行こうか?」
「いや、いい。」
「気になるな」
「しなくていい。たいしたことじゃないから。」
「ふ〜ん。じゃ」
「じゃあな」
 そう言って小宮は消えて言った。さて、待ちに待った放課後だ。今日もいるかはわからんが、さぁ図書館へ行こう。
 俺は、あの先輩を探した。案の定いた。
「本、好きなんですか?」
「・・・・・」
「なんの本を読むんですか?」
「・・・・・」
「あの〜聞いてます?先輩もポンコツですか。」
「は?」
 ここではじめて口を利いてくれた。
「いや〜知り合いが言うんですよ。俺がそいつの話を無視していると、殴ってきて。なにをする?ってきいたら、ポンコツは叩いたら直るんだなって」
「人をかってにポンコツ扱いしないでくれる?」
「話を聞いてくれるのでしたらいいですよ。」
「何度も言うけど、関係ない人には話すつもりもないし、関わらないほうがいい。」
「関係ならありますよ。いきなり俺の日常に入ってきた奴が言ったことなんです。調べたっていいじゃないですか」
「いきなり・・・・日常に・・・入ってきた?」
「ええ。三日前に突然姿を現しました。俺以外の奴はそれに気がついていないみたいで・・・」
「あなた。記憶を変えられていないのね」
「は?変えられる?」
「場所を変えましょう。」
 こうして俺らは人通りの少ないとこに来た。ここで話していても誰も気がつかないだろう。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
 無言が続いた。
「あなた。“未来”って信じる?」
「どういうことですか?」
「ようするに未来は決められていて、私達はそのレールをただ歩いているってこと。」
「・・・・・・」
「信じる?信じない?」
「決められているような気がします。」
「そぅ。なぜ?」
「この世はこんなににもつまらないから。」
「そう。そう思うのはあなたぐらいかもね。」
「そうかもしれません。でもそう思うんです。」
「そのレールを外れてしまった場合はどうなると思う?」
「未来が変わってしまったってことですか?」
「そう。どうなると思う?」
「・・・・わかりません」
「未来が変わるとたいがいは“自然災害”が起きるわね。」
「自然災害?」
「そう。例で言えば地震、津波、雷。さらにそのレベルは違って。ちょっぴりのずれで済むなら震度2〜3とかで済むけど。大きく未来が変わってしまえば震度7とかを超えてしまう。」
「・・・・・」
 声もでなかった、これが・・・これが世界の真実だというのだろぅか?あまりにも唐突すぎだ。
「そして対策がとられた。」
「対・・・・策?」
「そう。一度未来を変えてしまった人はまた未来を変える可能性が高い。だからその人たちを“時の牢獄”に連れて行く。」
「その“時の牢獄”がよくわからないんだけど。」
「時の牢獄。それは誰がいつ作ったのかはわからない。神が創ったという説もある。そしてそこに行った者は説明を受けそしてそこに何年か閉じ込められる。」
「何も悪くもないのにか?」
「そう。未来を変える可能性がある。それだけで閉じ込める恐ろしい牢屋」
―――――ガタッ。ちょっとした音が鳴り。先輩や俺は振り返った。その音を立てた人間は走り出した。聞かれてしまった?
「ちょっと追わないと。」
「えっ?」
「他言されたら大変なことに・・・」
 俺はその話を途中まで聞いて急いで、その人間を追いかけた。結局は追いつかなっかたけど、その後姿でわかった。小宮だった。「気になるな。」奴がそういっていたことを思い出す。あいつは真実を知ってほしくなかったのだろうか?
「捕まえた?」
 後から追ってきた先輩はこういった。
「いえ。でも彼がいきなり日常に入ってきた人です。」
「じゃあ今のを聞いた子が釈放された子」
「あの・・・・」
「なに?」
「本当によかったのでしょうか?」
「なにを?」
「真実を知ってしまって。あいつは知ってほしくなかったのかな?」
「さぁ。そんなこと知るわけないじゃない。でも、これだけは言わせて。釈放された人間は、時の牢獄に行く前の場所に戻される。そして本当は送っていただろうはずの日常に行かされるの。だからもしかしたらあなたはあの子が時の牢獄に行く前から知り合いで親友だったのかも。そしてそれを思い出すこと。それがあなたにできること。」
「俺の・・・できること・・・・。」

〜4日目〜

 俺にできること、それはなんなのだろう?俺はあいつとどこであって、どこで知り合ったのだろぅ?
「・・・・貢劉!!」
 本当にそんなものが存在するのだろうか?
「貢流!!起きんかい!!」
「ふぇ・・・・あっおはようございます。」
「なにがおはようございますだ。ボケー!!」
 どこからか取り出したハリセンで叩かれてしまった。
 小宮はこの日俺に話しかけてこなかった。ただボーっとしている。何も言ってこない。無邪気に笑いかけてこない。
小宮の犯した罪。それは確かに大変なことかもしれない。ケド、そんなもの俺らには関係ない。世界が大変なだけで俺は全然大変じゃない。そう思う。
 前からの親友?本当にそうなのか?俺は昔から小宮を知っていたのか?記憶がない。まさか俺も記憶操作されているのか?

〜放課後〜

 わからない。結局何もわからなかった。
「小宮・・・・小宮?」
 やはり聞いたことがある名前だ。確かあれは・・・。やはり駄目だ思い出せない。・・・・こうなりゃやけだ。思い出しながら帰っていこうじゃねぇか!!
―――ここは、三年前。雪合戦して、びしょぬれになって親に怒られた思い出の公園。
―――ここは。四年前。ガラクタを拾って帰って親に怒られた地・・・親に怒られてばっかだな(汗
―――ここは・・・確か六年前。あの名前も忘れてしまった親友と一緒に歩いて・・・。名前は何だっけ?え〜っと。けっけっけっ・・・健太?・・・・・健太郎?小宮 健太郎?
「・・・・・・」
 呆れて声もでません。そういえば、あのあとすぐだっけ?あいつが目の前からスゥーっと幽霊みたいに消えたの・・・・やつの牢獄行き俺のせいじゃん!!

〜5日後〜

「・・・小宮。・・・少しいいか?」
「・・・何?」
「思い出したよ。あんたは小宮 健太郎。六年前に突然消えた俺の親友。」
「・・・・その話はここではやばいから、あとでいい?」
「・・・ああ」

〜1時間目〜

「おい亀田!!聞いているのか?」
「先生。人生ってなんでしょうね?」
「はい?」
「もう、絶望過ぎて生きていけません。」
「亀田。お前がなんの壁に立ちはだかってるかは知らんがお前のすることはただ一つだ。」
「先生(涙)」
「立て!!」
「・・・・・」
 〜休み時間〜
 俺は小宮と例の人通りの少ないとこに来ていた。
「思い出したよ全て。あんたのことを・・・なぜ言わなかった?最初にあったとき何故言わなかったんだ?」
「・・・覚えてないのなら覚えてないでよかった。思い出しても無意味だから。」
「別に無意味じゃないだろ!!」
「無意味だよ。・・・・すぐ忘れる。」
「どうゆうことだ?」
「僕は・・・五日間の仮釈放なんだ」
「えっ・・・」
「そして今日が五日目。僕は後もう少しで、”時の牢獄“に戻る。じゃないと他の人に迷惑をかける。」
「なぜだよ・・・」
「ん?」
「なぜなんだよ。他人なんか関係ないだろ?なんで、見ず知らずの他人のために自分を犠牲にするんだよ!!」
「決めたから。」
「・・・・」
「自分がそうするって決めたから。」
「!!!」
「と、いうわけで、そろそろ時間なんだ。」
「行かせない。なにがどうあろうと行かせない!!」
ドゴッ。
「何すんだお前は」
「あれ?気絶してなかった?残念。」
「てめっ・・・」
「帰ってくるよ。」
「は?」
「また帰ってくると決めた!!」
「・・・俺もお前を忘れない。」
「約束だよ。」
「ああ約束だ。」
「・・・・ってなわけで君にはこれで気絶してもらおうかな?」
 そういって小宮はポケットをあさり始めた。
「ちょっと待て!!お前は何物騒なものを・・・ぎゃぁぁぁぁ」

〜それからちょっと後〜

「あ〜あ。派手にやっちゃったね〜。」
「あなたは確か先輩の・・・・」
「そうそう。春日 菜摘。あなたと同じ牢獄出身。」
「そうですか。あの〜この人保健室まで連れて行ってあげてくれませんかね?」
「いいの?こんな別れ方で・・・」
「いいんです。それに最後の別れじゃないですから。また会うって約束しましたから。」
 こうして、小宮はいなくなった。

〜保健室〜

「・・・・・いてててて。」
「気がついた?」
「え〜っと。あっポンコツ先輩。」
「だからポンコツ言うな!!」
「・・・小宮は?」
「行ったよ。」
「そうですか・・・。あいつ、俺のせいで牢獄にいるんですよ。」
「え?」
「六年前。俺らは登下校中でした。俺は、車に引かれかけて、あいつは俺を助けてくれました。そしてその矢先にあいつが消えて・・・・」
「・・・・・」
「いつもそうだ。あいつは自分のことより人のこと。自分はそっちのけ。俺は俺は、あいつみたいになりたかった。あいつみたいにすごい奴に・・・」
「なれるんじゃない?今からでもきっとなれると思うよ。」

〜エピローグ〜

 その日教室に戻ってみると、皆が小宮のことを忘れていた。誰もあいつの存在を思い出さなかった。
 こうしているうちに俺らも三年になった。そしてそんなある日、俺はいつもの通り教室に入った。そして、いつもはいないはずの奴がいた。忘れるわけもない約束だから。
「あっぐっちゃ〜〜ん。」

Fin


あとがき

 これといってないな〜(汗
 この作品は、ずっと前にあることに使おうと作ったんですが、不必要になったので、こちらに展示しました。今読めばかなりの自信作だなと思います。


 この小説の感想はアスラさんにメールで送ってあげましょう。
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