心ある右手

第二章 見えない瞳

 転校生の彼女は次の授業に遅れてやってき手元気に振舞っていた。さらに俺と清志意外と完全に溶け込み仲良くなっていた。
「お前のせいで仲良く慣れなかったよ。」
 清志に愚痴を言われもした。俺だって好きで嫌われたわけでもない。こうしている間に次の日。俺はいつもどおり遅刻ぎりぎりに着く。この学校の対外の奴らもそうだった。チャイム10分前にいる奴らなど10人以下なのを俺は知ってる。(自分で見たわけではない)HRが始まる。先生は語る。
「・・・・今の政治は・・・・」
 なぜこんな話になったかわからない。だがちゃんと時間通りにこの話は終わらす。HRは例えば英語の先生が死んだとかもっと大事なことを言うべきだと思うのだがいいのだろうか?10分間休み。とりあえず、転校生の彼女に話しかけた。すると
「なに?」
 と鋭い目つきで言われた。
「いや・・・・昨日のことを謝りたくて・・・・」
 気のせいではない。とても怖い。
「屋上で話しましょう」
 こうして屋上に来た。なぜここなのかは最初はわからなかった。だが、この場に誰もいないのを確かめた彼女の目は光っている。口元も笑っている。うつむきながらそしてゆらゆらとふらつきながら近づいてくる。だが目や口はよく見える。俺は彼女が目の前に立ったとき初めて気がついたことが2つある。一つは彼女の口がなにかを奏でている。
「ルルル〜・・・・」
 そしてもう一つ。やばい殺られる。
 バキッ。ゴスッ。ドゴッ。
 ・・・・・容赦なし。さらに次は往復ビンタだ。
「まっ・・・・話を・・・・」
ビシビシビシビシ
「はっ・・・話を・・・」
ビシビシビシビシビシ
「・・・話・・・・・」
ビシビシビシビシビシ
「・・・・・・」
ビシビシビシビシビシ
「・・・・・・」
ビシビシ・・・・・
ようやく彼女が手を止めた。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
無言が続く。そうすると彼女が口を開けた。
「生きてる?」
「・・・・・・」
「ねぇ?」
「返事がないどうやらただの屍みたいだ」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
そして彼女はまた携帯を出した。
「もしもし警察ですか?死体を発見しました。」
ここで流石に俺も声を出す。
「殺ったのはお前だ!!」
 ナイス突っ込み
「あっ起きた」
そういいながら電話を彼女は切った。・・・・・マジでかけてたみたいだ。今頃警察は大騒ぎだろぅ。


その頃警察署

「死体発見の電話が掛かった。だが、死体を発見した彼女と通信が途絶えてしまった。おそらく犯人に捕まったと思います。みなさん。死体を何とか探し出して、女の子の救出に全力を注ぎましょう。」
そして警察のほとんどが騒出動。警察の忙しい日が始まった


一方学校の屋上

「あっもう一時間目が始まっちゃう」
 彼女がいきなり言い始めた。
「ちょっと話が・・・・」
 立てない・・・・殺られすぎたか?こうして1時間目遅刻。さらに1時間目はお約束にも英語だった。
「NONONONONO〜〜〜〜〜〜〜あなたは私の授業を馬鹿にしてますか?」
 またかよ!!返答を変えてみる。
「イエッサ〜MS.NEYAMA」
「OK正直でよろしい」
 えっ・・・・・許してくれるんだ・・・・・と思った矢先に
「さぁ。ではGO&WAY WALK〜ピリオドの彼方まで〜」
 またかよ!!ってかピリオド(終止符)の彼方ってどこだ?どこまで歩けばいいんだ?とりあえずこう言って廊下に出ることにした。
「じゃあ。廊下歩いてきます。」
 そこで一言食らった。
「廊下は歩くな!!走れ!!」
 マジ病院いってください。こうして俺は学校中を歩き回った。途中で担任に見つかり怒られた。マジですごい剣幕で怒られた。そして英語の授業に連れ戻されたときあの英語の先生が放った言葉それは
「どこ行ってたんですか?授業をサボるなんて」
 ・・・・・・グレテヤル。
 こうしてようやっと放課後。俺は終わったとき彼女の席を見たらもうすでにいないことに気がついた。俺は自分の鞄を見てつい声に出してしまった。
「結局渡せなかったな。まぁいいか」
 とりあえず清志以外に親しくしてる男子に話しかけることにした。
「よう眼治。元気にしてっか?」
「うん。いつ声かけてくれるか心配だったよ。」
 彼は影原 眼治。彼も「小説愛好会」のメンバーだ。要するに彼も幽霊会員だ。だが彼は仕方がない。なぜなら彼は目がほとんど見えないのだ。そこに清志が声をかけてきた。
「じゃあなお二人さん」
 俺はすかさず突っ込む
「愛好会に来んかい!!」
 しかし彼は反論してきた
「バカタレ。俺には眼治を家まで送る大切な使命が・・・・」
「えっ?送ってくれるの?ありがとう」
「・・・・・」
「送ってやれよ。清志」
「よろしく」
「・・・・・」
「ところで眼治もたまには愛好会に顔出さない?」
「え?でも僕は字が読めないし・・・・・」
「大丈夫。君が来てくれることで清志も来ることができるし・・・・なっ清志。」
「・・・・・」
「そうですか。なら行きましょう」
「・・・・・」
「おい清志早く来い」
「反応がない。どうやらただの屍みたいだ。」
「人のネタを使って楽しいか?」
 消え入るような顔をして彼が言った
「かなり・・・・・」
 なぜかこの会話が悲しくなってきた気がする。さらにムカつく。そして10分後
「遅くなって悪い眼治」
「あれ?清志は?」
「さぁ?」
 俺はとりあえずとぼけた。
とりあえず愛好会がおこなわれている部屋に来た。そこには2人がすでにきてた。
「珍しいキャラ連れてきたね。進也。」
 こいつは赤塚 里緒まぁいわゆる腐れ縁とゆうやつだ。
「幼なじみのほうがしっくりくると思うんだけど」
「お前も読心術を学んでいたのか?」
「そんなわけないじゃない。聞こえてるだけよ。」
 いや。今のは確実に声に出していなかった。清志といいこいつらマジで読心術をマスターしたのか・・・・?
 そしてもう一人の女子の名は佐々木 恵美。こいつは里緒の親友だ。本音を言うと彼女はこの愛好会に参加したくなかったのだろぅ。ただ親友につれられて入っただけなのがとてもわかりやすかった。さらに彼女はなかなか女子としかしゃべらない。女子しか信用してないのがよくわかる。こうして今日の愛好会修了。と言っても眼治もいるからただアホみたいな話をしまくって終わっただけだった。とりあえずみんなで眼治を家まで送ってやることになった。佐々木だけしぶいかおをした。
「あっごめん。机に忘れ物したみたいだから戻っていいかな?」
 と眼治が言った。こうして俺らは集団で俺と眼治の教室に行くことにした。そして眼治の机の前に来たとき俺らは凍りついた。なぜなら眼治の机の上にマジックでこう書かれてた。
「死ね。眼治。名前も変だから目も悪いんだよ。」
 とかいろいろ書かれ放題だった。俺は許せなかった。
「どうしたの?進也?みんな?」
 眼治が聞いてきた。
「いやなにも」
 俺は怒りをこらえて言った。どこのどいつだ。こんなガキじみたことをするのは
「進也・・・」
「なんだ?」
「言わなかったかもしれないけど。僕は完全に目が見えないわけじゃないんだ。さぁこの机に何か書かれているみたいだけど。なんて書いているんだい?」
 俺はまたもや凍りついてしまった。そうだった。眼治の眼は視力両目0.03とギリギリぼやけて見えているのだ。ただし、もうその光を失うまで時間がないらしい。俺は何も答えれなかったら眼治は一言言った。
「そうか。やっぱり悪口なんだね・・・・」
「眼治・・・・」
「そうだよね。目が見えない人間なんてさ。」
「それはちが・・・・」
 俺は言いかけたが眼治が言った。
「進也になにがわかるのさ!!僕の名前だって眼治だよ。こんな変な名前だし、目が見えないんだよ。」
 そう言って眼治は教室を飛び出した。もちろん物に何度か体をぶつけながらだ。確かに俺は目が見えない眼治の気持ちをちゃんとわかってあげれないかもしれない。だが名前。これは漢字を見ればわかる。俺の推測が正しければ、そう思い鞄から紙とシャープペンを取り出す。里緒はすかさず言ってきた。
「なにしてんの進也。速く眼治を追わなきゃ」
「まて。眼治は一人でそんなに遠くに行けない。ちょっと黙っててくれよ。」
 俺は集中する。眼治の過去。過去を見るんだ!!こうして右手が動き始めた。

〜10分後〜

 俺は甘く見ていた。まさか眼治がもうすでに学校を出ていたとは・・・・。とにかく早く探さないと。学校はなんと町の中に立っていた。なので人が多く探すのは四苦八苦だった。一つの手がかりは地面にある「点字ブロック」これを通って眼治は行くはずだ!!
 ・・・・いた!!眼治は棒を持って棒で前を確認しながら歩いてる。だが彼は気がついていない彼の前に放置自転車があり、点字ブロックにちょうど乗っかっているのをそして・・・

 ドガッ。ガシャーーン

 眼治は自転車と一緒に大きくこけてしまった。周りの人々は驚いたあとくすくすと笑っている。眼治の持っていた棒は曲がってしまった。さらに
「おいおい。俺の自転車どうしてくれんだよ。」
 自転車の持ち主が現れた。反省の色がない。
「あ〜あ傷ついてるよ。どうしてくれんの?」
「えっ?えと・・・・ごめんなさい」
「ごめんなさいで済めば警察はいらないんだよ。」
 俺は腹が立った。こいつのせいで眼治は怪我をしたのに、こいつは自分のことしか考えていない。俺はこぶしを作り男のほうに走っていた。だが、次の瞬間

 ビシッ

 俺はあともう少しの距離で先を越されてしまった。先を越したのは転校生の彼女だった。
「あんたが、ここに自転車を置いたせいでこの子は怪我してるのに・・・・」
 彼女の頭に血が上っているのがわかる。あまりの怒りにちゃんと言葉が言えない状態だった。そして自転車の持ち主は面白い言葉を言った。
「ママにもぶたれたことないのに」
 はっきり言ってこっけいだった。そうして自転車に乗って男は泣きながら去っていった。俺は急いで二人の下に近寄った
「大丈夫か?眼治?」
「・・・・・」
 眼治の反応がない。そして不意にこんな言葉を言った。
「・・・え・・・・ない・・・」
「えっなに?」
「目が・・・見えない・・・・真っ暗だ・・・・」
 眼治は泣きながら周りを見渡した。だが彼の目は見えない・・・見えないのだ。
 俺たちは5人でその後近くの公園に来ていた。俺は眼治に言った。
「眼治。どうしても聞いてもらいたいものがあるんだ。聞いてくれるか?」
 眼治は黙っていたが、表情のない顔でコクンと頷いた。
「じゃ読むぞ」
 こうして俺はさっき書いた紙を取り出した。


 9月26日。影原家に第一子が誕生した。彼の父が言う
「この子には、元気な名前を与えないとな。」
 彼の母も笑いながら
「そうね」
 と言った。影原家はどこにでもいる幸せな家庭だった。だが彼らは一週間たった頃にはおかしいと思い始めた。まるで自分らの子供の目がまったく見えていない感じだ。そこで医師に相談してみることにした。
「まことに言いずらいのですが。彼の目はちゃんと見えていないのです。」
 2人はその場で硬直した。母が言った。
「直せないのですか?」
「彼の両目は今0.1です。眼鏡をかければ大丈夫のところですが、彼は生まれつき目がちゃんと見えないということでストレスを感じるでしょう。ストレスで失明はよくあります。なのでこれからよくなるかもしれないし、悪くなるかもしれない。こうゆう状況なのです。」
 2人はただただ放心状態のような感じだった。ただ希望があることは直るかもしれないとゆうこと。彼の父は言った。
「名前・・・・・眼治にしよう。この子の眼がいつか治るように願いを込めて・・・」
 誰も何も言わなかった・・・名前の意味は眼治以外はわかっていたけどまさかこんな物語があったなんて誰も思いつきもしなかったからだ。そして直るかもしれない。その希望があったなんて知らなかったから。俺は言った
「眼治いつかお前の目はよくなる。だから希望は捨てないでくれ。」
 そうすると眼治は言った。
「進也の顔・・・・前よりよく見えるようになったよ。」
 そう一つの希望が一つの奇跡を起こした出来事だった。
 こうして眼治を家に送った後俺はあの暴力女を家まで送ることになってしまった。俺は一つ聞いた。
「あそこでなにしてたの?」
「アルバイトを探してた」
「見つかった?」
「残念ながら・・・・」
「そうか・・・・・」
 俺は俺の鞄に入っているものを彼女に渡すかどうか迷っていた。どうしようか?これを渡してももしかしたら彼女は悲しむだけかもしれない。でも、これは渡さなきゃいけないと思う。俺はそう思っていたとたんに聞かれた。
「そういえば、未来小説って過去小説もできたんだね。」
「ああ。昨日試したんだ。」
「へ〜誰の過去を?」
「伊澄のをさ」
「えっ?」
 そうして俺は鞄の中のものを渡した。
「読んでみな」


 俺は今ビルの屋上にいる。なんも心残りはない。ただ一つ気になるのは私の娘伊澄人とわたしの奥さんのことだ。二人には迷惑をかけるかもしれない。だが、私はこの会社の悪事そして、私はそれに手を貸してしまった。そんな罪をつぐなうために・・・・おかしいと思う人もいるだろう。だがもうすでに何人もの犠牲者を出してしまった。私はその人の家族らには顔を合わせることもできない。すまない。すまない。
「2人とも父さんは先に逝ってるよ。もし・・・・もし、本当に幽霊とかが存在するなら私は二人を見守っているからな」
 そうして彼はその会社の悪事についての紙をポケットに入れジャンプをした。だが、それは続かなくて、そのまま地面へ・・・


「・・・・・・」
「・・・・・・」
俺は何か言わないとだめかと思いこう言った
「今日は・・・・パトカーが多いな〜。なにか大変な事件でもあったのかな?」
「・・・・・・」
 う〜ん。言わなければよかった。そしてようやっと伊澄が口を開いた。
「・・・ねぇ。幽霊って・・・・いると思う?」
「ああ。死んだらそのまんまなんてつまんねぇ。きっときっと天国や地獄そして幽霊もいるんだと思う。」
「そうだよね。死んだら何もないなんてつまんないよね。」
「それ小説にしてみないか?」
 きょとんとした目で伊澄が「え?」と言った。
「その続きさ。天国や地獄や幽霊でも何でもいいから書くつもりはないか?」
 伊澄も言ってる意味がわかったみたいだ。
「それって愛好会に入れってこと?」
「まっそうゆうことだな。」
「うん。書きたいな。そんな小説。でも、バイトとかあるからあまりいけないかもしれないけど・・・・」
「ああ。わかった。」
伊澄の家の前で伊澄が気がついたことを一つ言った。
「そういや、いつも一緒にいる友達はどうしたの?」
 あっ・・・・忘れてた。
「ごめん伊澄。急いであいつ救助にいってくる。」
「救助?」
「まぁいろいろあってな。じゃっ」


一方学校

 2人の男子生徒が話しながら歩いていた。
「本当だって。そこのトイレに入ったらウ〜ってうなったんだよ」
「おいおい。嘘をつくならもっとちゃんとした嘘を・・・」
「ウ〜ウ〜」
 2人は仰天した。そしてうなっているドアを開けた。そこには一人の男子生徒が縄で縛られハンカチで口も縛られていた。全てを解いてやった男子生徒の一人が聞いた。
「あの・・・・大丈夫?」
「し・・・ん・・・・や〜」
 そして彼は走り出した。自分をトイレに閉じ込めた。進也を探しに・・・・


一方伊澄の家

 伊澄は何気なくテレビをつけた。そしてそれはニュースだった。今やってる内容は、同じ町のニュースだったので彼女は気になってみてみた。
「今日朝9時ごろ警察に死体を見つけたと通報があり、そしていきなり通信が途絶えたそうです。その通報した女の子は今行方不明です。」
 伊澄はテレビを消した。
「・・・・・」
無言が続く。まさかここまで酷くなっているとは・・・・とりあえず彼女はついさっき友達になった人の携帯に電話をすることにした。
 がんばれ。がんばれ進也。まだ夜ははじまったばかりだ。

第三章に続く


あとがき

 今回の第二章は第一章の二倍はありますね。疲れました。マジで。こんなに長くなるなんて思いもしなかったです。
今回は新キャラ3名登場!!進也の小説はどうなっていくのか? 清志はその後どうなったのか? 伊澄の小説の行方は? 眼治は目がよくなるのか? 佐々木は他のみんなと仲良く慣れるのか? 里緒は出番が今度も少ないのか? この6人の物語はまだまだ続くかも・・・・では、また3章で会いましょう


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