BAD DARK STORY

屋敷の主編 1st.story 舞い降りた悪魔

 タイ南部。そこは貧しい子供達がたくさんいるところ。そこを一人の男が歩いていた。年齢は、20〜30ぐらい。格好は黒マント、黒いシルクハット。黒い服だった。だが、手袋だけは白と赤で所々破れていた。
こうして彼は1本の木によしかかるように座り彼はとてもとても低い声で歌った。
「子供達よ♪。お話を聞かせてあげよう。されど怖がり、泣き虫お断り、なぜならこれは、ホラーだから。」
 だが、そんなことはお構いなしに、子供達はたくさん集まってくる。10人、15人、20人・・・・。
「さて、では始めようではないか。これは今から300年前の話。ヨーロッパで起こった事件だ。ある場所に、"悲劇の屋敷"と呼ばれる屋敷があった。この屋敷でグレッサー家の者達が惨殺されるとゆう事件が起こった。殺されたのは4人。家の主、その妻、その子供の息子、そして・・・謎の男。犯人は捕まらなかった。こうして事件はここで終わりだ。」
 男はシルクハットを深くかぶり直し、そして似たりと笑いながら続けた。
「しかし、問題はここからだ。そこには"亡霊"が住みついてしまった。もちろん誰もが亡霊なんて信じなかった。だが、屋敷に近づくものは次々に殺されていった。こうして3人の巡査が、その屋敷を調べることになった。ヘモック、トム、シェリーの3人だ。」
―――こうして物語は始まった。
「・・・ねぇ。やめようよ。屋敷調査なんて・・・。」
「トム。まだ言ってんの?これは仕事だし、亡霊なんているわけないじゃない。」
「そうだ。シェリーの言う通りだ。トム。男がここで引いては行かんぞ。」
「そっ・・・そうだよな。れっ霊なんているわけないよな。」
―――こうして3人は屋敷に向かった。

・・・許さない・・・許さない!!僕は奴を許さない。
僕の幸せを奪ったやつだけは・・・。
あともう1回・・・もう1回
・・・・"殺してやる"

 それは1時間前。警部が、私達を呼び出し、屋敷調査の指令を出したことです。
「今回は、お前ら3人で、屋敷を調査し、謎を解いて、犯人を捕らえてほしい。」
 そこで、トムはちょっと待ってください。と言った。
「何で3人なんですか?そこには殺人犯がいる可能性が多いのに。」
「うむ。それはな、調査ってのは人数が多ければいいってもんじゃない。"質"の問題なんだ。決して私の人望が薄いわけじゃないぞ。」
 ・・・・最後にぼろ出しちゃったよこの人。
「ところで、これは情報だが、その屋敷には亡霊がいるらしい。」
「ぼっ亡霊〜〜〜〜!!?」
「警部!!そんなもの信じてるんですか?」
「筋肉さえあれば真実も見えてきますぞ。警部」
「ぼっ亡霊。亡霊。亡霊。亡霊。亡―――。」
 一人気絶しました。
「まぁそれはさておき、お前らの"能力"があれば大丈夫だろ。」
 そうなんですよ。私達は秘密警察で、3人とも人間の"理"から外れる能力者。ちなみに私の能力は"破壊の能力者"。今度見せてあげますよ。うふふふふ。
 と、言うことがあり、私達はついに屋敷の前。さぁ行こうか・・・・って、トムが回れ右をやっているのは気のせいでしょうか?
「往生際が悪いぞ。トムよ。」
 なんなく、へモックの方出で持ち上げられちゃったトム。・・・可哀想に。怖いよね。あんな筋肉男に持ち上げられてにらまれるのは・・・。まぁ彼は、"力の能力者"だからあの筋肉は仕方ないんだけど・・・気持ち悪いな〜。あっ今動いた!!?・・・吐いてもいいですか?
 こうしてようやっと私達は、屋敷に入った―――。

ヒィーッ、フーッ、ミーッ。ほう3人か・・・・。
くっくっくっ。この前殺してもう3日もたつ、
―――久々の・・・獲物だ。

「・・・ヒィッ。」
「ん?どうした。トムよ。腹痛か?馬鹿者が、筋肉を鍛えないから、そうなるのだぞ。」
 はーい。腹痛に筋肉は関係ないと思いま〜す。
「こっ・・・声が・・・聴こえたんだ。」
「!!!・・・トム。"聴く能力"で何を聞いたの?」
「ひっ・・人の声。人の声が聴こえた。ぼっ僕達を殺すって・・・」
「なるほど・・・もう敵に狙われたわけですな。」
「ええ。好都合ね。」
 それにしてもいいな〜。トムの能力。確か半径500mまでのどんな小さな声だって聞こえるんだっけ?他には、小心者でとりえもないけどね
いいな〜自分への悪口とか、聞こえるんだろうな〜。そこを私の"破壊の能力"で・・・うふふふふ。

!!!屋敷に人が入った?・・・3人?
情報ありがとう。
―――悪魔さん♪

「・・・シェリー、へモック。声が・・・2つある。ここに2人の人間がいる!!」
「なんですと?と、言いますと共犯がいる?」
「・・・声がした場所は、最初とだいぶ離れてる。」
「・・・もしかしたら、単独犯が2人いる。そういうことかもしれないわね。」
 ああ。めんどくさい。なぜ警部は、私に屋敷を破壊していいと言わなかったんだろう?そうしたほうが早いのにな♪・・・迷宮入りになっちゃうけど。
「・・・にしても、ひとり言が多いですな。この2人。」
「後の奴は、悪魔と一緒だった・・・」
「はい?悪魔ですと?」
「あのねぇ〜。悪魔なんて架空の生き物よ。」
「でも、確かに悪魔さんって・・・。」
「その悪魔の声は聞いたのですかな?」
「いっいや・・・」
「じゃあ。後の奴はイカレ者。そう解釈するしかないわね。」
 まったく。悪魔なんて冗談じゃないわよ。そんなの怖くなつて。先に進めなくなるじゃない。しかも、トムなんか歯をがちがち言わせてるし、へモックだって、筋肉から冷や汗でてる・・・・キモイ!!
「ハァ〜。こんなアホ2人じゃなくて師匠ときたかったな〜」
「聞こえてるんだけど・・・・」
「しかし、師匠も仕事ではないですか、仕方あるまい。」
 そう、私達には師匠がいる。簡単に言えば能力に目覚めて親に捨てられた私達を拾ってくれたのが師匠。30歳前半とは思わせない男勝りの美女。・・・何度殴られたことか。まぁその度に師匠の大事にしてる物を破壊したんですけどね。フフフ。
 この屋敷の構成は、リビング、食堂、客間、寝室、子供部屋、物置、トイレ、風呂場。そして1番多くて不気味なのは廊下だ。―――さて。どこから行くかな。

―――置いて行かないで・・・置いてかないで・・・僕を一人にしないで・・・父さん。母さん。なんで?なんで?なんで―――氷のように冷たいのさ。

 こうして私達はとりあえず、客間に来ました。ここに何かヒントでもあればいいのにね。―――何もない。見事に何もありません。いっそガレキの山を混ぜるか?
「無駄骨だったね・・・・。」
「そうね。何もないわ。・・・証拠隠滅しとく?」
「なっなんで!!?しかもなんの証拠?」
 何か破壊してすっきりしたいなんて言えやしない。
「だが一つわかりましたな。」
「何が?」
「殺されたのは四人と聞いています。この家の主、その妻、子供、そして謎の男。捜査をした後、この屋敷にあったものを動かしてないと聞きます。しかし客間には荷物らしきものは何もありません。と、言うことは、謎の男はここに泊まってはいなかった。」
おっやるじゃんこのキンニクン(命名)
「ウィナ〜〜〜〜〜〜〜」
 キンニクンはキンニクンで、勝利宣言してます。
「で、今回の捜査にどう役に立つんですか?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
 前言撤回。やっぱバカだ。この筋肉―――。

 ほう。あの子供動き始めたか。そろそろ決着付けようじゃねぇか。あいつは絶対に殺す。―――俺を殺した罪は重いぜ。

 子供部屋。ここはまるで・・・まるで"異空間"に投げ出されたみたいです。
「感じますかな?」
「うっ・・・うん。すごい威圧感・・・」
「トム。トム!!しっかりしなされ。」
「あ・・・・ぐ・・・・」
「だめね。トムの精神力が弱すぎる。この威圧感についていけてない。部屋を出ましょう。」
 能力者には能力者を感じる"オーラ"があります。感じるものは人によります。強さ、優しさ、きびしさなどです。この子供部屋には最近まで、能力者がいたのでしょう。そして感じるのは、つらさ、悲しさ、寂しさ、孤独さ・・・。
「この威圧感は半端じゃないですな。」
「うん。師匠の3倍。いや、10倍はあるね。トムは?」
「完全に気を失ってます。しばらくは起きないでしょう。」

 一人脱落か・・・。ふっこれはいい。
―――使えるぜ。

ここは寝室。別途が2つ置いてある。・・・1度でいいからこんなもので寝たいな〜。床じゃなくて。
「何奴!!?」
 突然ヘモックが声を上げた。
「なっなに何々?」
 ベットとベットの間には男の子が挟まっていた。
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「あの助けてくれない?」
「御意」
「"恩"は高いわよ。」
 世界は金で動いているのですから―――。

 この世には絶対に覆せない現実がある。これがまさに僕の目ではっきり見たことだ・・・。
「父さん?母さん?」
 二人は血まみれだった。男が一人立っていた。その男は片手でナイフをくるくる回していた。母さんが僕がいることに気がついた。
「レ・・ア。・・・行きな・・・さい。ここは・・・来ちゃ駄目・・・です。」
 そう言って母さんの目から生気が消えた。
「・・・母さん?母さん?母さん!!・・・うわぁぁぁぁぁぁ」
 僕は泣き叫び続けた。憎い・・・憎い・・・憎い!!この目の前にいる男が憎い!!
そして・・・そのとき声が聞こえたんだ。
「少年よ。人間の少年よ。力はいらないかい?」

 男の子は10歳ぐらい。服装は短パン半そで。そして何か奇妙な顔。なぜでしょう?
「さ〜て坊や・・・」
「逮捕はだめですぞ。まだ何もわかっていないのですから。」
「・・・・・」
 じゃあ私は何をすればいいの?
「我輩の名はヘモック」
「えっと私はシェリー」
「お主、名は?そしてなぜここにいる?」
 あっ普通に質問し始めた。つまらん。ここはやっぱ脅しでも入れないと・・・。そう、まるで警察みたいに♪(*彼らは警察です。)
「レアミルサ・グレッサー。この屋敷の主さ。」
 グレッサー?はて?どこかで聞いたような・・・。
「屋敷の主?」
「そっ、ほらこれ」
 そう言って権利書を突き出してくるガキ。・・・ガキのくせに。それ燃やすぞ。そしてこの家破壊するぞ。・・・そうか警部が、私に屋敷を破壊していいと言わなかったのはそれのせいか。・・・マジで燃やすぞ。
「グレッサー君。君の他に屋敷にいる人を知らないかね?」
「・・・知ってるよ。何日か前から。侵入者がいるんだよ。」
―――ゾクッ。この子・・・能力者?この威圧はさっき子供部屋で感じたものと一緒だ。なぜ、奇妙だと思ったのかがわかった。この子は、つらさ、悲しさ、寂しさ、孤独さをそろえた。普通ではありえない孤独な子供だからだ。

―――行け!!その場にいる人間を全て殺せ!!

 沈黙を破ったのはトムだった。いきなり起き上がったトムはさっきまでのおびえたトムではなく。奇妙な笑顔を見せていた。
「トム?・・・どうしたの!!?」
「はは・・あははははは」
 トムは突然笑いだし。オーラを発した。オーラから感じられるのはトムのものじゃなかった。邪気・・・これが一番当てはまるものだ。感じられるのは、破壊を楽しむ心だった。
「・・・・・」
 声もでなかった。多分へモックもそうだったんだと思う。顔が真っ青だ。
「奴に・・・操られてる」
「!!?レッレア君?奴って・・・」
「気絶させたら元に戻るはずだよ。」
「!!?」
 この子はどこまで知っていて、どこまで関与しているのだろう?だがそんなことは後回しにしたほうがよさそうだった。今はトムが大事だ。早く助けないといけない。
「その役目。私が引き受けた。」
 そう言って、へモックはトムのほうに走っていき、パンチを繰り出した。力の能力を持っている。へモックの力は誰にも防げないはずだった。だが・・・
「!!?」
 止めてる。しかも人差し指で。そしてトムの攻撃だ。トムはヘモックを吹っ飛ばした。屋敷に穴を開け、へモックは木に激突していた。
―――それだけならよかった。だが、ヘモックの心臓を木の枝が貫通していた。

ただ流れる沈黙。一瞬の出来事。ただの悪い夢。・・・そう夢。そう思いたかった。しかし現実にはヘモックは殺された。トムに!!

 この世にはいいことだらけじゃない。私みたいに能力者だっている。私はこの能力によって親に捨てられた。
お父さんもお母さんも優しかった。いつもいつも私と遊んでくれた。だけど・・・私が8歳のときあの事故は起きた。お父さんはいつものようにお話をしてくれた。けれど今回は怖いお話だった。
「・・・その時男の後ろに化け物が立っていましたとさ。」
 ただただ私はその時怖くて叫んでいた。それが"きっかけ"だった。私の能力が目覚めて"暴走"した。
 どんな"力"も使い方を知らなければ暴走する。その通りだった。私の能力は生物に葉通用しない。けれど暴走にはそんなものは関係ない。お父さんの右腕はこのごなに吹っ飛んだ。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ」
 お父さんは悲鳴を上げた。この世のものとは思えないほどの声だった。
 私はただ見ていることしかできなかった。
「おとうさん・・・?」
「・・・くるな・・・」
「えっ・・・」
「来るな!!化け物!!」
「!!?」
 お父さんとお母さんは知っていたんだ。私が化け物だって。知っていて優しくしてくれたんだ。だけど・・・だけどそれももう終わってしまった。私はその日捨てられた―――。
ザーーーーーーー。
 大雨だった。私は道の端っこにちょこんと座り。私は心から詫びた。
「ごめんね・・・ごめんね・・・お父さん。お母さん」
 しばらくの間私はそうしていた。ふと視界が暗くなった。私の目の前には傘を持った女の人が立っていた。
「一緒に来るかい?」
 その人はそう言った。師匠の家にはヘモックとトムがいた。二人とはいつも一緒だった。3人で川や海に行ったり、山に行ったり、いつも一緒だった。
 だから―――。だから。こんな光景は信じられなかった。操られているからって、こんなのは信じられなかった。
「シェリー下がって」
「え・・・」
「僕が殺る」
「!!?」
 レア君の手はこの世のものとは思えない形に変わっていた。黒く尖っていて、まるで―――悪魔のように。
 レアは軽く手を動かしたそして・・・トムの体は真っ二つになった!!
「レッ・・・レア君?なっなんてことを・・・」
「・・・・・」
 何も言わない沈黙が続いた。

「・・・奴は役に立たなかったな。まぁいいか。邪魔者は二人消したわけだし。さぁ小僧。屋敷の主を決める戦いを始めようじゃないか」
 この世には闇がある。暗いくらい闇、悲しい闇、つらい闇、心の闇。まだまだ闇はたくさんある。そしてその中の一つの真夜中は―――まだまだ続く。

続く


あとがき

ええと。久々の投稿です♪ちなみに「屋敷の主編」にした理由は、だんだん内容が変わっていくので、このタイトルはきついかな〜?って思っただけです。ちなみに次で「屋敷の主編」修了です。そのあとは「世紀末の世編(仮)」です。


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