2001年5月のひとりごと

 2001年5月のひとりごとです。


2001/05/31
 最近思うのは、小説を書くのも作曲するのも絵を描くのも、一番大事なのはイメージする事じゃなかろうかと。
 自分が書きたいのはどんな小説なのか、作りたいのはどんな曲なのか、描きたいのはどんな絵なのか。
 それをきちんとイメージして、そしてそのイメージをどんな手段で具体的な形にするのか、という事。
 曖昧なイメージはきちんとした形にはできないし、イメージを具体的な形にする手段というのも勉強しないと。
 ごくごく当たり前な事なんだけど、強く痛感する今日この頃です。
 何はともあれ。
 練習練習っと。

 でわでわ。


2001/05/29
 最近、また絵など描いています。
 色々と試行錯誤を繰り返しつつ、失敗を積み重ねています。
 こんな事してるヒマがあったら、小説でも書いてた方が良かったなあとか思う今日この頃です。
 とりあえず生首が9割方完成です。
 今回は色も塗る予定なので、掲載はいつになるのか不明。
 っていうか、人様にお見せできる物になるといいんだけど。

 でわでわ。


2001/05/26
 週に一度の恒例、アニメ版こみパの感想です。
 第8話、海に行くお話。
 全体的にどろどろムードで、「いい加減にしろ、こんにゃろー」みたいな。
 他に書く事はないです。

 でわでわ。


2001/05/23
 ここ1週間くらい、ゲームとか本とかを買っていません。
 何だかとっても寂しい気分。
 でも創作活動の妨げになるので、あまり適当な物を買うのも何だし。
 困った困った。

 でわでわ。


2001/05/21
 35000HITありがとうな今日この頃です。
 二次創作を(基本的に)やめても、来てくれる人は来てくれているようなので、幸せだったりします。
 あとはプリーズ感想、という事で。

 せっかく買ったデジカメですが。
 もっとマシな写真を撮りたいと思う今日この頃です。

 でわでわ。


2001/05/19
 DC版こみパの発売日がさらに延びて(7月26日)全然めでたくない今日この頃ですが。
 とりあえず「二人の英雄」第3話が無事完成&掲載できた事はめでたい今日この頃です。
 第1部もようやく半分を超えた所です。
 さあ、がんばって第4話も書くぞっと!
 あ、はぷにんぐとかも書かないと。
 たまには短編読み切りとかも書きたいなあ。
 みなさんはどれに期待してますか?

 今日は予定外にデジカメ写真のコーナーもあります。

ハワイアンコーヒー ココナッツ

 なぜか「蒼ざめた月の光」のパッケージの上に乗っかっているのは、今日、仕事先で見付けた缶コーヒー、ブルボンの「ハワイアンコーヒー ココナッツ」(注:この写真ではすでに中身は空)です。
 消費税が5%に値上がりして、缶ジュース一本120円になって久しい今日この頃。
 150円のペットボトルも大人気ですが。
 そんなこの時代の流れに逆らうかのように、なんと一本90円!
 100円玉一枚で10円おつりが帰ってきます!
 あ、セイコーマートのグランディアは70円だった……。
 缶に書かれた売り文句は「ハワイ産コーヒー豆をブレンドし、ココナッツミルクで仕上げた、トロピカル感覚いっぱいのコーヒーです。」
 しかも丸ゴシック体。
 実に怪しげな雰囲気がぷんぷんします。
 さてさて、お味の方は……。
 なんと!
 「品名:コーヒー」としっかり書いてあるのに、ココアの味がするのです!
 じゃじゃ〜ん!
 時々コーヒーの味(でも酸味が強くて美味しくない)がする時もあるのですが……。
 基本的にはどこからどう見ても(味わっても?)ココアの味!
 実に摩訶不思議です。
 恐らく酸味の強いコーヒーの味とココナッツミルクが混ざり合った時、化学反応のようにココアの味が発生するのでしょう。
 私的には今世紀最初の大発見です。
 街で見かけた人は、90円ドブに捨てるつもりで飲んでみましょう。
 目撃情報、及び飲んだ感想もお待ちしています。

 でわでわ。


2001/05/18
 アニメ版こみパ第7話感想。
 全13話らしいので、折り返し地点を越えた所ですが。
 第1回こみっくパーティー開催。
 第6話で書いた「ウケ狙いてんこ盛りの同人誌」が売れなかったお話。
 くどいようだけど、第2話が「自分の好きな物を書けばいいんだ!」だったのに、その後の話で「ウケ狙いで行くぜ!」なのはどうしてでしょう?
 この後の話を「やっぱり好きな物を書くぜ!」的な話にするんなら、第2話が無意味になるんですけどねえ。
 それはそうと、いくみん、可愛い顔して言う事がキツイぞ。
 しかも筋肉ムキムキ盛りだくさんの同人誌の方がいいというのか!(笑)

 でわでわ。


2001/05/16
 今日のひとりごとは、同人サークルTYPE−MOONさんが作ったWindows用18禁ゲーム「月姫」の感想を書きたいと思います。
 同人ゲームの限界に挑戦した意欲作で、シナリオがいい、という評判を聞いたのでやってみました。
 ゲーム内容を簡単に説明すると、「モノの壊れやすい線」が見える主人公が、自分が実は殺人鬼ではないかと悩んだり、実家の遠野家にまつわる因縁に巻き込まれたり、吸血鬼と戦ったりするお話です。
 ゲームシステムは、画面いっぱいにテキストが表示されるビジュアルノベル形式です。
 メッセージ戻し機能がないのは不便ですが、「一度見たシーンを飛ばす」機能が付いているのは便利です。
 まずグラフィックについて。
 グラフィック枚数は非常に多いです。
 下手な市販ゲームより多いくらいです。
 でも。
 最近の市販ゲームの、殺人的な色塗りの技術に比べると、見劣りする事は否めません。
 ジャギーの処理とか輪郭線の太さとかに問題があるのではないでしょうか。
 CGは専門じゃないのでよくわかりませんが。
 あと、立ちポーズも、表情によって顔のパーツのバランスが変わったりとかが気になりました。
 もっとも、一人で原画から色塗りまでやっているようなので、人海戦術の市販ゲームに負けるのは仕方のない事でしょう。
 次は音楽。
 音楽は作品の雰囲気にあった曲調で良かったと思います。
 しかし、曲数が少ないために、同じ曲を何回も聞かされるような感じがしました。
 演出で音楽がなくなって効果音だけが鳴る場面もあるのですが、どう考えても音楽が欲しい場面で音楽がなくなったりするシーンもありました。
 もしかすると、プログラム上の問題とかかも知れませんけど。
 で、一番気になるシナリオですが。
 はっきり言って、下手な市販ゲームどころか、シナリオの良さで不朽の名作と呼ばれているような市販ゲームにも引けを取らないシナリオといえるでしょう。
 吸血鬼その他にまつわる設定も魅力的ですし、緊迫した戦闘シーン、主人公の葛藤、たまにあるコミカルなシーンなどなど……とてもよく描けているのではないでしょうか。
 とりあえず、「血を見ると失神する」とか「日本語を読むのが嫌い」という人以外、誰にでも勧められると思います。
 でも。
 欠点は探せば見付かる物で。
 基本的に設定が色々と複雑なので、それを説明する文章も長々してしまい、読んでいると疲れてしまう事。
 特にこの手のゲームをやり慣れていない人にはちょっと辛いかも。
 一本一本のシナリオも長めという気がします。
 どのシーンをプレイしていても、雰囲気があまり変わらないような気がします。
 それぞれのシーンの役割、というのがきちんと考えられていない気がしました。
 「月姫」には五人のヒロインがいて、それぞれにシナリオが用意されているのですが。
 それぞれのシナリオごとの個性、というのがあまり感じられませんでした。
 極端な言い方をすれば、同じ舞台を別な役者が演じているだけ、という感じです。
 ちがうシナリオなのに全く同じシーンを読まされる事もあったりして、前述した「一度見たシーンを飛ばす」機能がないとやってらんない、という感じです。
 さらにそれぞのヒロインに二つずつのエンディングが用意されているのですが(一人だけ、エンディングがひとつしかないヒロインもいますが)、これもただ用意しただけという感じで、それぞれの意味合いとかは感じられませんでした。
 いっその事、複数ヒロインとか複数エンディングとか考えず、シナリオ一本で勝負して、その代わり長さももっと延ばして、という感じにした方が良かったかも知れません。
 でも。
 それ以上に魅力的な雰囲気が描けている作品なので、やっぱり良くできた市販ゲームにも負けないシナリオ、という言い方はできると思います。

 余談。
 いくつかこの「月姫」を紹介した文章をweb上で見たのですが。
 その中で「Leafの痕の後継である」という言い方をしている物があったのですが。
 私としては、この言い方は大間違い、という気がします。
 確かに設定的にはこの二者はよく似た作品です。
 主人公の見る殺人の夢、その夢が実は他人の実際の行動という展開などなど……。
 しかし、実際はそれ以外の部分は驚くほど違っています。
 「痕」は一本一本のシナリオを短くし、再プレイしやすくすると共に、設定を小出しにしていくという手法です。
 具体的に書くと。
 楓シナリオでは、女の子を襲ったのは主人公自身という事になっていて。
 千鶴シナリオでは、別の鬼が登場し。
 梓シナリオでは、別の鬼の正体が柳川という男である事が判明し。
 続く柳川シナリオでは、楓シナリオで不明だった部分を解消すると共に、鬼の力に負けた殺人者の心理を描き。
 最後の初音シナリオでは、一転して主人公達の前世が物語の中心になっています。
 短いシナリオをかき集め、全体として一本の長いシナリオを作る、という手法です。
 それに対して「月姫」は。
 本来は一本のシナリオで勝負するべき設定なのに、「ギャルゲーはそれぞれのヒロインにエンディングを付けなくてはならない」的な思い込みの許に作られたような気がします。
 だからそれぞれのシナリオがきちんと差別化されていない気がします。
 一本一本のシナリオを見ていくと。
 「痕」が鬼などの設定が多少説明不足でもいいから、とにかく短く、読みやすいように、というのが至上命題であるのに対し、「月姫」は読みにくくなってもいいから、複雑な設定もきちんと説明して……というよりは、たぶんシナリオライターさん、複雑な設定を決めるのが楽しくて楽しくて仕方がないのかも知れません。
 「痕」はシナリオ一本だけだと物足りない部分が多いですが、それに対して「月姫」はシナリオ一本だけで充分満足、という感じです。
 というわけで。
 「痕」が新しい発想の許に作られたシナリオであるのに対し、「月姫」はそれよりずっと普通で素直な手法で作られています。
 「痕」がずっと昔に発売されたゲームで、「月姫」が後に発売されたゲームである事を考慮すると、「月姫」は「痕」の後継どころか、退化、と言えるかも知れません。
 なお、退化といっても、新しいイコール素晴らしい、というわけではないので、「月姫」が「痕」に劣るという意味ではありませんので。
 っていうか、TYPE−MOONの人は「痕」ってやったんでしょうか?

 で、総評。
 「月姫」は同人ゲームの限界に挑戦した意欲作、という事ですが、同人ゲームを超えた部分もあれば、やっぱり同人ゲームの域を出ていない部分もあるという気がします。
 もっとも、市販ゲームのメーカーだって、大手は別として、同人サークルに毛が生えただけだという気もするのですが。
 っていうか一部の市販ゲームのメーカーのみなさん、「月姫」を見習いましょう。
 という事で。
 とりあえず血がたくさん出てる話が嫌いでなければ、ぜひやってみましょう。
 値段も安いですし。
 はっきり言ってお勧めです。

 「月姫」の詳しい情報については、TYPE−MOONのHPでどうぞ。

 でわでわ。


2001/05/14
 6月28日発売のDC版こみパ発売までやるゲームがない今日この頃ですが。
 だからといって適当なゲームを買おうと思っても、ここ数日は比較的順調な小説執筆のペースが落ち込む事が目に見えているので、なかなか購入に踏み切れないでいます。
 無駄遣いしないで大切に貯金しておけ、という説も有力なのですが。

 でわでわ。


2001/05/12
 アニメ版こみパ第6話感想。
 第2話で「自分の好きな物を書けばいいんだ!」とか力説しておきながら、今度は「ウケ狙いでいくぜ!」という結論になるのはどうかと。
 個人的には和樹が今度の同人誌に盛り込む内容として挙げた中に「触手」が入ってたのが気になります。
 最近はあんまり見ない上に、18禁になるのか?

 でわでわ。


2001/05/10
 昨日の夜、掲示板がめちゃくちゃ重かったので、旧掲示板へのリンクも付けました。
 掲示板が重い時などにご利用ください〜。

 それと今月の(?)デジカメ写真のコーナーです。

一家に一台必需品、トラックマウス!

 2001年1月20日のひとりごとで紹介して以来、問い合わせが相継いでいる(もちろん真っ赤なウソだけど)、エロゲーマー御用達、一家に一台必需品のトラックマウスです。
 上に付いている二つのボタンが左右クリックで、黒いのがトラックボール(親指で転がすとマウスカーソルが動く)です。
 真ん中の私の人差し指が当たっている部分も左クリックで、主にドラッグアンドドロップに使います。
 机の上に置いて使う普通のマウスだと、左クリックを連打している時に固定されている腕が疲れますが、トラックマウスは好きな姿勢で使えるので、腕が疲れません。
 でも基本的に(普通のマウスと比べて)マウスカーソルを動かしづらいので、ほとんど左クリック連打オンリーのエロゲーでしか役に立ちません。
 ちなみにこの写真を撮る時、左手でカメラを持ってセルフタイマーで撮影したというのはここだけの秘密です。

 でわでわ。


2001/05/09
 Windowsがお亡くなりになりました。
 「画面のプロパティ」の「設定」の「詳細」が開けなくなるという重傷になり、完全フォーマット後にインストールし直しになりました。
 恐るべし、RADEONの流出系ドライバ。
 ほとんど完全に復旧しましたが、あまり使ってないソフトや、完全クリア後のゲームをインストールし直さなかったら、HDの空きが倍くらいに増えました。
 何だかなあ。
 でも惜しかったのは「顔のない月」の大体クリアしたデータ。
 え? なぜ惜しいかって?
 それはまあ、いろいろと……。

 でわでわ。


2001/05/07
 とうとうゴールデンウィークが終わってしまいました。
 ゴールデンウィーク中に休んでいた企業系のHPの更新がまた始まるので楽しみです。

 でわでわ。


2001/05/05
 5月3日のひとりごとの書き忘れ。
 「蒼ざめた月の光」の主題歌はなかなかいい感じです〜。

 というわけで本日の本題。
 アニメ版こみパ第5話の感想。
 今回は何かNHK教育の道徳のテレビみたいなお話でした。
 以上。
 ……………。
 …………。
 ………。
 ……。
 …。
 み、短い……もっとドタバタ感が欲しかったかも。
 大志の動きが怪しげで良かったけど、やってる事はただのいい奴だからなあ。
 もっとはた迷惑な大志希望。

 でわでわ。


2001/05/03
 携帯の機種変更などしてきました。
 16和音とかカラー液晶とかに幸せを感じる今日この頃。
 そうです、16和音の槇原敬之「桃」!
 16和音の「いい湯だな」!
 そして16和音の「おれはジャイアンさまだ」!
 どこかに16和音cdmaOne用の「笑点のテーマ」ってないですかねえ?
 でも携帯の液晶って発色良くないなあ。
 壁紙とかダウンロードする気はあまり起きなかったり。

 ちょっと長めに前置きしたところで。
 今日の本題、「蒼ざめた月の光」の感想を書こうと思います。
 「蒼ざめた月の光」は、スタジオ・エゴから発売されたWindows用18禁ゲームです。
 私の大好きな槇原敬之の「HungrySpider」からインスピレーションを受けたとか、スタジオ・エゴらしくなくシリアスな雰囲気とか、シナリオにこだわってみました、みたいな雑誌インタビューなんかから、個人的に期待していた作品です。
 で、ゲームの内容を簡単に説明すると。
 舞台はスタジオ・エゴらしく中世風のファンタジーな世界。
 人の精気を吸って生きる魔族である主人公アストリアと、彼が気まぐれで助けた少女セレネとの恋愛を主軸に、彼らを巡る複雑な人間模様を描いた物語です。
 ゲームシステム的にはごく普通のADVゲームです。
 一部にDirect3Dを利用した演出が採用されていて、残像付きで拡大縮小したりするのがなかなかキレイです。
 問題はそれがほとんどHシーンにしか使われていないのはもったいないかも。
 まずグラフィック。
 いつも通り山本和枝さんの原画で、800X600ドット、Hシーンも豊富です。
 しかもHシーンでは「霧状の触手」という新兵器を導入(笑)。
 初めてスタジオ・エゴが800X600ドット表示を採用した「TWIN WAY」では髪の毛などでジャギーが見られましたが、「蒼ざめた月の光」ではそんな事ありません。
 ADV画面の立ちポーズも「TWIN WAY」より大きくなっています。
 見応え充分と言えるでしょう。
 次は音楽。
 一部の曲にハープシコード(だと思う)が使われていたりと、バロック調の雰囲気を漂わせています。
 スタジオ・エゴらしくなくシリアスな本作の雰囲気に合っているのではないでしょうか。
 で、次は肝心要なシナリオですが……。
 非常に残念な事に、短くまとめると、「甘い」の一言です。
 どこが「甘い」のかというと。
 まず文章の甘さ。
 シナリオは西出明久さんという人が書いているらしいのですが。
 どうもこの人、重厚な文章と、長ったらしくてわかりづらいだけの文章というのを履き違えているような気がします。
 説明しなくてもいい事を説明していたり、会話だけで充分にわかる心理描写をわざわざ別の文章で書いていたり、いくつかの文章に分けて説明すれば事をひとつの長い文章で説明していたりしました。
 結果的に会話のテンポが悪くなり、ストレスを感じる部分が多々ありました。
 次はキャラクター、人間関係の甘さ。
 主人公アストリアは人の精気を吸って長い時を生きてきた魔族で、冷静で物事に動じない性格です。
 結果、常識的で理屈屋で感情の変化がない、全く面白味に欠けた人物として描かれています。
 もっと人間に対する冷酷さ……人の営みという物を嘲笑う、冷徹で、そして孤独で悲壮感の漂うような面を描くと、より魅力的なキャラクターに仕上がったのではないでしょうか。
 さらにアストリアが「魔族的な生き方」をやめて「人間的な生き方」に目覚めるきっかけ。
 「蒼ざめた月の光」のシナリオにおける、最も重要な部分ですが。
 アストリアがセレネの母または姉を補食し、そのためにセレネが泣く。
 そしてセレネが泣いた理由を一生懸命考えて、自分達魔族と同じように、人間にも「絆」がある。
 だからもう人間は喰えない、というような。
 なんというか、こう……バカみたい。
 んな事、分かり切った事じゃん、みたいな。
 あと、人の精気を吸わなければ生きていけない、それでは人として生きる事はできない。
 という、かなり明確な命題がクリアできないまま迎えているエンディングが多かったり。
 さらにセレネのキャラクターも甘かったように思います。
 基本的に、アストリアが魔族である事を知るのはエンディング間際だったりするので。
 物語の序盤でアストリアに助けられ、中盤で母やら姉やら親友やらを殺されて泣いて、またアストリアに助けられて。
 という感じなので、当然のように考えられる、自分の愛した男が人を喰らって生きる魔族、というシチュエーションにならなかったり。
 セレネがアストリアに与えた影響、セレネがアストリアから受けた影響、というのが、基本的に全然描けていないように思いました。
 「蒼ざめた月の光」は7つのエンディングが用意されたマルチシナリオのADVゲームですが。
 どうも、どのシナリオでも、誰を補食して補食していないのか、くらいの違いしかなかったような気がします。
 もっといろいろな展開が考えられる設定なのになあ。
 で、シナリオの総評として。
 「蒼ざめた月の光」は、槇原敬之の「HungrySpider」という、「蝶を食べる蜘蛛」と「蜘蛛に食べられる蝶」の恋を描いた歌からインスピレーションを得て作られた作品です。
 槇原敬之が、「蝶を食べる蜘蛛」と「蜘蛛に食べられる蝶」を題材に、愛してはいけない存在であるを愛してしまったという葛藤に直面し、そして選んだ悲しい結末を、わずか4分41秒の歌で描き切ったのに対し。
 「蒼ざめた月の光」のシナリオライターさんは「HungrySpider」と同じテーマから、極論すれば「魔族も人間も同じようなものだからいいや」という安易な理屈で逃げ。
 歌である「HungrySpider」がひとつのシナリオしか描けないのに対し、ADVゲームである「蒼ざめた月の光」はいくつものシナリオが描けるのに、それぞれのシナリオごとに話を膨らませようとしていない。
 「蒼ざめた月の光」のシナリオライターさんは、「蜘蛛と蝶」というテーマから逃げ、ゲームという表現手段から逃げ。
 「蜘蛛と蝶」というテーマに直面しようとしなかった、シナリオライターさんの、シナリオライターとしての甘さ。
 そしてADVゲームという表現手段を突き詰めようとしなかった、シナリオライターさんの、ゲーム制作者としての甘さ。
 それが「蒼ざめた月の光」のシナリオの「甘さ」の原因のように、私には思えるのですが。

 で、ゲーム総評。
 発売前に立ち読みした、エロゲー雑誌のインタビューで「スタジオ・エゴも素晴らしいシナリオを書けるという事を証明したい」というような事が書いてありました。
 結果として「蒼ざめた月の光」は、スタジオ・エゴはシリアスなシナリオを書けない、という事を証明してしまったような気がします。
 ですが、私は「TWIN WAY」や「メンアットワーク!2」の、明るく楽しく、ちょっぴりシリアス、というライトな感覚のシナリオは結構好きです。
 シリアス一辺倒の「蒼ざめた月の光」が、シリアスな部分で甘かったらダメダメという事になりますが、「TWIN WAY」や「メンアットワーク!2」であれば、そんな事はないはずですから。
 そもそもシリアスなシナリオだけが素晴らしいシナリオというわけではないですし。

 でわでわ。


2001/05/01
 先月はずいぶんひとりごとをたくさん書いたという事に気付く今日この頃。
 サクラ大戦3の感想とかHungrySpiderのライナーノーツ(?)とかアニメ版こみパの感想とか、長かったし。
 最近は2日に1度ペースの更新が定着してるし。
 でも何となく撮ってみたまいPCの写真の方が容量喰ってるとかいう説も。
 それはそれとしてニューPCケースの電源がPentium4非対応という事が判明して、今後のPC計画に大幅な変更を余儀なくされている今日この頃です。
 「月姫」も完全クリアしたので、5月のひとりごとは「蒼ざめた月の光」と「月姫」の感想がメインになりそうな気がします。

 でわでわ。


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