2000年8月のひとりごと
2000年8月のひとりごとです。
2000/08/30
前回のTimeの感想の補足……っていうか蛇足。
中学校で習ったかと思いますが、蛇足の故事をご存じでしょうか。
覚えてない人のために簡単に紹介してみます。
数人の男が蛇の絵を描き、一番最初に描き上げた人が壺に入った酒を独り占めする事になりました。
そして1人の男が一番早く蛇の絵を描き上げましたが、「儂は蛇に足だって描けるのだ」と言って、描き上げた蛇の絵に足を付け足してしまいました。
酒を飲めるのが嬉しいのはわかるけど、そんな嫌味ったらしい事してると、友達なくすぞ、一番最初に描き上げた男。
そして別の男が絵を描き上げると、「足を付け加えたから、それはもう蛇じゃねえ」と言って、酒を飲んでしまいました。
どうしても酒を飲みたい気持ちはわかるけど、そんな揚げ足を取るようなマネしてたら、友達なくすぞ、2番目に描き上げた男。
というわけで、余計な事をしたばかりに、かえって価値をなくすような事を、蛇足、といいます。
で、話をTimeに戻します。
21日のひとりごとで、クライマックスの、時間を遡行するあたりが蛇足だと書きました。
時間遡行の直前までのストーリーで、主人公と妹の穂摘は、片足が義足の障害者であっても、お互いに支え合って生きていける強さを手に入れたはずです。
にも関わらず、時間遡行の後、穂摘の足は元通りになってしまいました。
作者の江本綾氏が「儂は穂摘に足だって付けてやれるのだ」と言ったかどうかは定かではありませんが、それまでの感動のストーリーを無にする行為のような気がするのですが。
でわでわ。
2000/08/25
え〜と、SilenceとTimeですけど。
面白いんですけどね、実際。
前に書いた感想を読むと、とてもそう思えないなあ。
でわでわ。
2000/08/21
18日のひとりごとの続きで、同人ゲーム「Silence〜涙をふいて〜」と「Time〜微笑みの向こうに〜」の感想です。
Silenceのシナリオについては前回に書いたので、今回はTimeのシナリオについて書きます。
前回、書くの忘れたけど、ネタばれ多し。
Timeは、メイド服を着た妹、などの設定はSilenceと同じですが、義足、という点が違います。
シナリオのテーマも、兄妹の愛というよりは、障害者に対する差別が中心になっています。
ヒロインも明るく無邪気な一葉に対し、臆病で気弱で怯えがちな穂摘という女の子になっています。
個人的には、普段は明るい一葉が落ち込んだ様子にぐっときたのですが、普段から気弱な穂摘が心が壊れたような状態になっても、あまり衝撃はありませんでした。
こういう女の子の場合は逆に、普段は気弱な様子を見せて、いざという時に芯の強い様子を見せた方がぐっとくると思うのですが。
また、穂摘がどうしてメイド服を着ているのか、という事に対する理由として、母親が着ていたから、という事になっていますが、穂摘にとって母親がどれだけ重要な存在だったのか、という事を説明する設定があると良かったと思うのですが。
でも包丁を握って人格が変わった時の穂摘が好き♪
あとはTimeのタイトルの由来となっている、時間を遡行するクライマックスですが、あれはもうシナリオとして完結た後にくっつけただけの、蛇足に当たる部分のような気がするのですが。
最後にSilenceとTimeの総評。
SilenceとTime、どちらもいいところもあるし、悪いところもあります。
加点も減点も多いSilence、減点は少ないが加点も少ないTimeというところでしょうか。
強いて言うなら、個人的にはSilenceの方を心持ち高めに評価しておきます。
総合評価ですが、甘めな言い方をすると、メーカー製のエロゲーにも決して引けを取らない完成度、辛めの言い方をすると、メーカー製のエロゲー程度でしかない、というところでしょうか。
あとは作品の方向性が、現在の流行そのままだったかな、という事。
同人ゲームらしい部分というのが、元ネタ付きのギャグとか、妹とのHシーンだとか、そういうところだけだというのなら、それはちょっと寂しいんじゃないでしょうか。
後述すると書いておいた、辛口に評価した理由は、手間に相当する利益をあげられそうにはない、安価な値段設定とはいえ、代価を取っているからと、市販のゲームに決して引けを取らない完成度だから。
そして何よりも、次回作(出す事に決め付けてるし)はもっと完成度の高い物を作ってもらいたいからです。
というわけで。
次回作もがんばって下さい。
陰ながら応援しています。
なお、江本綾氏のHPは「江本綾のお絵描き(描き描き〜♪)」です。
通販も受け付けているようなので、興味のある方はどうぞ。
でわでわ。
2000/08/18
ひとりごとがエロゲーの感想で埋まりつつある今日この頃。
今日は趣向を変えて、同人の恋愛ADVゲームの感想を書きます。
……違うのはメーカー製か同人かだけかい。
というわけで今回とりあげるのは、CircleMebiusの「Silence〜涙をふいて〜」と「Time〜微笑みの向こうに〜」の2作です。
サークル、とは言っても、実際には江本綾さんが1人でシナリオ、CG、BGMをこなしています。
数ヶ月も小説を書かない、どこぞのぐーたらなHP管理人とは大違いです。
……自分で言うな、自分で。
えーと、私はメーカー製のゲームを評価する時は、メーカーは決して安くない代価を取っている以上、値段相応の価値を提供しなくちゃいけないという観点から辛口に評価し、滅多にしないけど二次創作などの感想を書く時は、私の感想のせいで創作活動をやめたりしないよう、その人を長い目で見て、甘口に評価しています。
で、今回は同人ゲームをどう評価するべきかと考え、あえて辛口に評価する事にしました。
理由は後述します。
まずはゲームの紹介から。
Silence、Time、共にゲームシステムはオーソドックスなアドベンチャーゲームで、画面下のウインドウに表示されるテキストを読みながら、たまに出てくる選択肢を選んでゲームを進めます。
でも今はやりのマルチストーリーではないようです。
Silenceは、とあるギャラリーでメイドのバイトをする事になった妹と、兄である主人公との禁断の愛を描く、という内容です。
Timeは、義足でメイド服を着て、兄の事を「ご主人様」と呼ぶ妹と、兄である主人公との禁断の愛を描く、という内容です。
こういう似たような内容なので、「Silence2」と呼んでも差し支えないような気が、個人的にはするのですが。
ちなみにTimeはボーカル曲付きのオープニングムービー入りと、豪華な内容になっています。
いかにも狙ったような設定ですが、実際にプレイしてみると、意外にもしっかりしたシナリオでした。
次はCGについて。
江本綾氏の手による女の子のCGは、独特のクセがあり、やや幼い感じがします。
Silenceはやっぱり同人っぽい雰囲気がかなりありますが、Timeは色の塗りが大幅にパワーアップし、メーカー製のゲームと遜色ない気がします。
っていうかONEよりは絶対にキレイ。
次はBGM。
収録されている曲はどれもなかなかいい感じだと思います。
ただ、SC−88から録音した曲は、録音の際にクオリティが落ちている気がします。
やはり同人ではこういうところで差が出てしまうのでしょうか。
Roland系音源の所有者としては、MIDI音源でもプレイできるようにしてもらいたかったところです。
せめてCD−ROM中にMIDIデータも収録するとか。
次は一番気になるシナリオ。
Silenceから。
ゲーム前半の、主人公と妹の一葉とのやり取りがなかなか楽しいです。
多くのメーカー製のゲームでもこれだけの物はなかなかないと思います。
で、ここからは多少辛口に。
Silenceのシナリオは、起承転結の構成になっています。
詳しく説明すると、
起の部分は、主人公と一葉の、2人だけの楽しい日常。
承の部分は、主人公が自分と一葉との関係が正しいのかどうか疑問を抱き、悩むあたり。
転の部分は、主人公が自分と一葉との関係を、よくある兄妹の関係にしようとするあたり。
結の部分は、2人が兄妹の枠を越えた絆を築いていこうと決意して大円団。
という事です。
気になるのは、この起承転結の境目がはっきりしない事。
このシーン、このセリフを境目に、承の終わり、転の始まり、という事を意識すると、より良かったのではないでしょうか。
他に気になった点としては、主人公の考えの推移が少なからず強引な気もしましたし、過去の出来事の回想も、同じシーンの繰り返しだったり、現在のシナリオとの絡みについても疑問を感じる部分がありました。
あとはエンディング近くで、あれ? まだ続くの? みたいな場面が何カ所もあったり、そのシーンが、シナリオ全体から見て、あまり意味がなかったりしていました。
Silenceのシナリオ総評。
シナリオ構成を見ると、余分なシーン、余分な文章などがかなり多く目に付きました。
それぞれの部分でやるべき事、やるべきでない事、意味合いが重複するイベントなどを整理し、もっとコンパクトにまとめるべきではないかと思います。
すごくいいシーン、いい文章がたくさんありながら、たくさんありすぎる、という感じです。
一言でまとめると、「冗長」という事ではないでしょうか。
次はTimeのシナリオについて……と思いましたが、とりあえずまた後日という事で。
でわでわ。
2000/08/13
最近、仕事が忙しくて、遊ぶ気力と体力と時間がないです。
ひとりごともエロゲー関係だけだし。
ううむ、なんとかせねば。
でわでわ。
2000/08/08
なんだか「私のひとりごと」がエロゲー感想ページになりつつある今日この頃。
でもその事からは目を背けつつ、スタジオ・エゴ製ToHeart「TWIN WAY」感想の加筆など。
ゲームシステムやシナリオなど、明らかにToHeartの雰囲気を踏襲する「TWIN WAY」。
一番の違いは、シナリオの「痛さ」。
病弱な少女、友達との三角関係に悩む少女、身分違いの恋などなど、「痛さ」を描写しうる要素をきちんと押さえておきながら、実際のシナリオではサラサラっと軽いノリで流してしまっています。
「痛さ」がないため、誰でも気軽に世界に入り込める反面、「痛さ」がない故に、涙を誘う感動にはつながらないのでしょう。
他社に引けを取らない美麗なグラフィックや音楽技術を持つスタジオ・エゴが、多くの固定ファンを持ちながら、しかしユーザーの多さでLeafやKEY(含旧Tactics)に及ばない理由は、その辺りにあるのでしょう。
でも気楽に楽しめるのがスタジオ・エゴの売りなのだから、その路線を続けてもらいたい物です。
以前、何かのインタビューで、Leafの高橋龍也氏が、ToHeartは「居心地のいい日常の空間を作った」という主旨の発言をしていました。
しかし実際にもっともウケたのは、シナリオ上の副産物である、マルチとの別れと再会のエンディングだったりします。
それを踏まえて考えてみると、実際にLeafが作りたかったToHeart本来の姿、というのは、スタジオ・エゴの「TWIN WAY」なのかも知れません。
そして実際の両メーカーのファンの多さを比べてみると……世の中というのは皮肉に出来ている物です。
でわでわ。
2000/08/04
あと1ヶ月ほどでHP開設2周年を迎えるわけですが、1周年の時は全面リニューアルを行ったのに、今回は何も予定がありません。
1年に1回名前を変えようかという案もありましたが、面倒なのでパス。
っていうかリニューアルってかなり疲れるし。アイデアもないし。
というわけでこれからも「私はここにいます。」をよろしく。
……じゃなくて。
でわでわ。